「中国人客は来るな」
焼き肉屋にカニ持ち込んで焼く“非常識”
マナーの悪さに飲食店は怒り
日本を訪れる外国人旅行客の勢いが今年に入っても止まらない。政府観光局によると、1月は月間として過去2番目に多い185万人余りが訪れた。その中心はやはり中国人団体客で、中でも爆買いの“聖地”大阪では圧倒的な存在感を見せている。
ところが迎える店側、特に飲食店は手放しで喜んでいるとはいえないようだ。そのマナーの悪さから来店をきっぱり拒む店もある。実際にこんな事例を見聞きした。
ミナミのある焼き鳥店では中国人の女性客2人が近くで買ってきたたこ焼きをつつきながら、注文した焼き鳥を食べていた。「持ち込み禁止」のルールを知らないのだろうか。別の焼き肉店では団体客が殻付きのカニを持ち込んで炭火の網に乗せ、肉と一緒に焼いていたそうだ。
酒を頼まず、無料の水を何杯もおかわりする▽食べかすを床にポンポン捨てる▽トイレに紙以外のものを流し詰まらせる-などもよく聞く。ある店主は「中国人客は金を使ってくれず迷惑行為も多い。正直、来てほしくない」とつぶやく。国民性や習慣の違いで、彼らも悪気はないのかもしれないが…。心から「ウエルカム」と言える日は来るのだろうか。(地方部 高田清彦)
中国人観光客のマナーはやっぱり悪い?
「爆買い」ブームの裏側
2015年の流行語大賞ともなった「爆買い」。東京・銀座の中央通りで、大阪の黒門市場で、札幌の狸小路で、数多くの中国人観光客を見かけることが、私たちの「日常の風景」となった。果たして、眉をひそめる向きも多い中国人のマナーについて彼ら自身の言い分はあるのだろうか。 事情に詳しいジャーナリストの中島恵さんが「 日本人と中国人 ここまで違う子育て観 」に続き、日本各地を歩いて中国人のホンネを聞いた。
トイレが汚いのは誰のせい?
「『以前よりもトイレが汚くなった。中国人ではないのか? 清掃をもっときちんとしてほしい』という苦情が寄せられました。私たちもトイレ内に中国語で使い方を表記したステッカーを貼るなど、できるだけ対応しているのですが……」
15年秋、中部国際空港(愛知県)を訪れた際、空港会社のCS(カスタマーサティスファクション)推進グループの担当者は、困惑した表情を浮かべながら私にこう語ってくれた。
空港内のご意見箱には利用者からさまざまな声が寄せられる。最近、急速に増えているのが、こうした中国人客に関する日本人の厳しい意見だという。
実際のところ、誰がトイレを汚く使っているのかはわからない。ご意見箱に意見を寄せた日本人も“現場”を目撃したわけではなかったようだが、「マナーが悪いのは中国人」という先入観があるからか、厳しい意見は後を絶たない。
同空港の場合、国際線と国内線がすぐ隣り合わせにあり、施設がコンパクトにまとまっているため、国内線の利用者であっても、駅やバス停で中国人と鉢合わせする機会は多い。日本人客から「中国人が列に割り込んだ。今すぐ来て、ちゃんと並ばせてほしい」というクレームが入ることもあり、急いで警備員が現場に直行した、ということも一度や二度ではなかった。
空港の担当者は「日本人、中国人、双方に満足していただけるように、誠意を持って接している」というが、日中の習慣の違いや施設上の問題から生じてしまう問題もある。たとえば、国際線では保安検査場に入るとき、ペットボトルの水は捨てなければならないのが決まりだ。
中国では正しいマナーなのだが……
身近なところだと、日本ではファストフード店で食べ終わったあとは自分でトレーを片づける。対照的に、中国では店員の仕事なので、食べっぱなしでいい。
使用済みのトイレットペーパーは(下水道設備の関係から)中国では水洗にせず、便座の脇にあるゴミ箱に捨てるのが「ルール」。それが中国では正しい行為なのだが、日本では異なることを知らず、中国人が使ったあとのトイレには汚いペーパーが散乱……ということもある。観光地のトイレでは、壁に「ペーパーは水に流してください」と中国語で説明書きがあるところも増えてきたが、つい習慣でゴミ箱へ……という中国人はまだ多い。
しかし、こうした悪気のない習慣の違いだけではない。行列の横入りや、小売店内での飲食、地面にべったり座っておしゃべりするなど、国際標準からみても、明らかに中国人側に問題がある場合もある。日本人が直接的に迷惑を被ることもあるし、被害を受けないこともあるが、どちらにせよ、そばで見ていて気分のいいものでないことは確かだ。
私の友人は成田空港の出国審査のところで、中国人に“集団横入り”されたと激怒していた。エアポートバスが遅れて、空港への到着がギリギリとなり、ヤキモキしていたところだったので余計に腹が立ち、ふだんはそんなことは言わないのに、思わずその場で声を荒らげてしまったという。
「言葉の通じない中国人にも、私がなんで怒っているのかは伝わったでしょう。でも、相手は集団でしたから強気で、そのまま無視。急いでいるのに、7人も8人も私の前に人が増えたのですから、そりゃ怒り心頭でしたよ。係員がいなかったので、泣き寝入りしましたが、 睨 にら みつけてやりました。ますます中国人のことが大嫌いになりました」と話していた。似たような苦い経験をしたことがある日本人は少なくないだろう。
ちょっと話が脇にそれるが、出張族である私の男性の友人は、この1~2年、「“中国人”のせいで、ビジネスホテルの予約が取れないんだよ」とぼやくようになった。東京から名古屋に出張することが多く、先日は予算内のホテルがすべて満席。しかたなく蒲郡まで足を延ばし、小さなビジネスホテルにチェックインした。するとそこは中国人御用達のホテルだったようで、「大浴場に行ったら、中国人に取り囲まれた」と大げさなことをいう。
(以下略)
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