最大にして最後の失敗
「原理主義者の論客」再登板
政権交代可能な二大政党制の実現が持論だ。政権の座から転落した民主党が低迷する状況を「国民の信頼は民主党から離れている。このままでは死んでも死にきれない」と嘆き、復活へのかじ取り役を勝ち取った。
立候補表明の直後に左目の網膜剥離で手術を受けながら「党再生のラストチャンス」として国会議員や党員・サポーターらに支持を呼び掛けた。
自民党を離党して約20年が経過した。「原理主義者」と称されるほどの生真面目さがアピールポイントの一つ。論客として知られ、選挙制度や行政改革、核軍縮・不拡散問題に思い入れが深い。国会論戦には安定感があるとの定評があり「安倍晋三首相には負けない」と自負する。
民主党政権では副総理、外相などを歴任。昨年の衆院選前には、外相時代の経験を生かした著書「外交をひらく」を出した。ただ、経歴のわりに発信力が乏しく政権を追い込む迫力に欠けるとの指摘もある。
もうひとつの道へ
問うべきは民主の理念
右か左かで“左旋回”
民主党代表選の雌雄を決したのはリベラル系だった。岡田克也、細野豪志両氏の決選投票の国会議員票の差はわずか6票。1回目の投票で3位だった長妻昭元厚生労働相を支持する旧社会党の赤松広隆前衆院副議長グループの十数人が岡田氏に流れた。赤松氏らは集団的自衛権行使や原発再稼働に反対の姿勢で、岡田氏は“左旋回”せざるを得ない構図になった。保守系とのバラバラ感の払拭の道のりは前途多難だ。(産経新聞 2015.1.19)
■「右か、左か」で終わった民主党代表選
■「右か、左か」で終わった民主党代表選
(山本洋一のとことん正論 2015.1.19)