橋下市長「朝毎のような主張を言えば中立害さない、というのはおかしい」 NHK会長発言めぐり
橋下徹大阪市長が記者団に語ったNHK会長の慰安婦発言に関する発言要旨は次の通り。
──NHK会長の慰安婦発言で、民主党が追及の構えだが、市長の見解は
■民主はもうちょっと歴史を勉強したほうがいい
「民主党はもうちょっと歴史を勉強したほうがいいんじゃないですか。籾井さんが言っていることはまさに正論ですよ。その通りですよ。あの主張に反論なんかできる人なんていないと思いますよ。僕が言い続けてきたことと全く一緒です。あの意見について、まぁ朝日は毎日、メディアは大誤報やってくれて、主語とかすっとばして、正当化したとギャーギャー言っていたが、籾井さんの言っていることは僕がずっと言い続けてきたことで、あの点についてきちっと反論できる人はいないと思いますよ。もっとね、皆さんも含めてね、歴史を勉強しないといけないし、今この時期、この状況になってね、中国や韓国のこの状況をみて、歴史というものが外交戦争に使われているということもある。日本は今までそういうことやってこなかった。日本の外交官もそういうこと言わずに、とにかく相手の気を害さないようにとやってきたが、中国もね、それなりの力を持ってきて、今までのアメリカ一極の世界秩序の中で我慢するような状況でなくなったときには、歴史については主張してきますよ」
■安重根の問題だって、日本であんな主張認められませんよ
「安重根の問題だって、韓国の主張だって中国の主張だって、彼らの主張でそういう主張あると思うが、日本であんな主張認められませんよ。歴史は当事者によって主張や認識が違うのはあたりまえ。だから自衛戦争だと言っても相手方から見たら侵略だし、相手が侵略と言ってもこっちからしたら自衛だということもある。でも僕はサンフランシスコ講和条約を結んだ以上は、世界から侵略戦争と評価されること、言われることについては日本の政治家として受け入れざるを得ないが、その他の歴史問題については、今までのように黙っていたらいいなんてそんなことやってたら、外交戦争に敗北しますよ。どれだけ中国や韓国が今、世界でプロパガンダやっているんですか。今まで日本人は相手の気持ちを害してはいけないということで「言うな」「言うな」となりましたが、慰安婦問題は最たるもの。きちっと言わないといけない。日本人として。認めるところは認め、反省するところ反省する。世界から不当な評価受けるようなことについてはしっかり言わないと」
──政治家や新聞社と違い、NHKは放送法で中立が定められている。受信料で成り立っている。NHK会長が発言したことについては
■政治的に意味のない発言なんてのはあり得ない
「問題ないんじゃないですか。だから、政治的中立性と言うが、政治的に意味のない発言なんてのはあり得ない。何か発言すれば、必ずそこには何か政治的な意味が含まれていて、今まではメディア、特に朝日や毎日がすぐ騒ぐから、彼らが反対するようなことを言わなければ、たまたま何も騒がれなかっただけ。でもそこに政治的な意図は入っていると思いますよ。NHKの番組自体だって、政治的な意図は入っているじゃないですか。慰安婦問題とか、戦争責任を追及した裁判の番組にしたって、番組には必ず政治的な意味っていうのは入っている。でもそれは仕方ない。中立性というものは、現場が何か作るときに政治権力で編集権や番組作るところに介入してくることが問題だが、トップが発言することというのは何ら問題ないと思う。発言したうえで、そのような見解で現場に介入したら問題だと思うが。
政治的中立性という言葉も、もうそろそろ、日本人は考えないといけないと思います。何かやろうと思えば、政治的な意味は含まれてくる。政治的中立性というのはどういうことなのかをしっかりしっかり考えないといけない。
──維新としては国会では問題にする必要ないと
■どこが問題なんですか籾井さんの発言の?論理的に反論できないと思う
「いやどこが問題なんですか籾井さんの発言の。誰もたぶん、論理的に反論できないと思う。僕が言っていることと同じだから、僕だって論理的に批判受けたら論破する自信はあるが、そういう議論の場が与えられなかったから一方的に悪いと言われたが。籾井さんや僕の発言に問題があるならどこかということ。モラル上は悪い、現在は悪い。当時だって、やっていいことかといったらだめなことでしょう。二度とやってはいけない。でも世界各国、当時、戦争時は似たり寄ったりのことはみんな戦場と性の問題は、現代の紛争においてすらずっとある。古代の戦争からずっとあったわけです。そいうことをどうやって止めるかをこれから考えないといけないが、そういうことはあったのは歴史的な事実。日本も反省するが、日本だけが袋だたきに遭っている状況は『違う』ということを言わないといけない。米国だって、こういうことはやってはいけない、やめていこうと、ヨーロッパや米国の価値観だったらそういう。でも現実問題として、第二次世界大戦とかそれ以降、米国も英国もフランスだって、戦場で女性を性の対象としてみんな利用していた。なぜ日本だけが袋だたきに遭うのか。それは、国家が組織的に女性を拉致した。人身売買した。世界の戦場の性の問題とは特殊なことをやっていたという風に、世界に広まってしまっているから。日本だけが特殊だと批判を受けている。日本だけが本当に特殊なんですか。反省はするし、二度とやってはいけないが、日本がやっていたことだけが世界から袋だたきに遭うような特殊性があったなら、どこが特殊なのかしっかり検証しないといけない」
■韓国だって、朝鮮戦争の時には慰安婦制度を設けてやっていた
韓国だって、朝鮮戦争の時には慰安婦制度をしっかり設けてやっていた。なぜ設けるかと言ったら、強姦が多発するとか、性病が蔓延するといろんな理由でね、慰安婦制度を朝鮮戦争の時に持っていたというのは、韓国の軍事史の中でもはっきり位置づけられている。
そういうことを検証せずに日本だけ言われっぱなしで、朝日や毎日などのメディアがずっと日本が悪い、一切発言できないような雰囲気を作ってきたからこういう状況になったけれど、ちゃんと歴史を勉強して、戦場と性の問題、どういう事実が歴史的にあったのか、二度とやってはいけないが、日本だけが袋だたきに遭うというのはどういうことか、日本人は考えないといけないと思いますよ。
■日本だけ袋だたきする世界の態度はアンフェア
「アメリカ人もヨーロッパも、完全に勘違いしている。僕が言っているのは、世界の、国際社会においては価値観は多様化している。一定の価値観を押しつけたって理解はしてくれない。でも世界共通の物差しは、フェアかアンフェアか。慰安婦問題はアンフェアです。日本だけを袋だたきするような世界の態度はアンフェだと言えばいい。戦争は悲惨だし、二度とやってはいけないが、そういう状況の中で、似たり寄ったりのことはどの国だってやっていたし、戦争と性の問題は、どの国だって抱えてきた不幸な歴史なんですよ。そういうことは二度と繰り返さない、今の価値観においてはそんなことあってはならない。だけど、日本だけが不当に袋だたきされているのは何故かというと、日本人が主張してこなかったからだ。慰安婦問題について、どういう問題なのか。河野談話の問題点とかきちっと言わなかったから。籾井さんの言っていることは至極正当で、民主党はもっと歴史を勉強すべきだし、自民党の方から批判が出るのは非常に残念です。こういう問題になって必ず出てくる政治的中立性ですよ。出ましたよまたこれ。政治的中立性ってね、だいたい何か発言したら政治的な価値観は必ず含まれるものでね。メディアからしたら、毎日、朝日にしたら、籾井さんとは慰安婦問題で反対意見だから、ああいう発言をしたら政治的中立性を害するというが、朝日や毎日のような考えだったらあれも政治的な見解ですよ。ひとつのね。籾井さんの考え方も政治的な考え方。僕の考え方も政治的な考え方。もっと言えば、慰安婦問題について、世界から袋だたきにあっても良いという主張も政治的な考え方」
■朝日や毎日のような主張を言えば政治的中立害さない、というのはおかしい
「だから朝日とか毎日とか、ああいう主張をNHKの会長が仮に言えば、それはまた政治的中立性を害することになる。政治的中立性というのは、権力を使って番組の編集権に介入してくるのが中立性を害するということ。トップが発言すれば、政治的な意味は入ってきます。たまたまそれが、政権側の考え方なのか、朝日新聞や毎日新聞の考え方なのか、どっちかは知りませんが、たまたま今回のような主張を言えば政治的な中立性を害すると言って、朝日や毎日が言っているような主張を言えば政治的な中立性を害さない。そんなのはおかしいです。
僕は籾井さんが言っていることは極めて正論。日本人が、特に僕らの世代が籾井さんの考え方を勉強して、反論できるなら反論を考えた方が良い。学校現場で。どこが問題なのか。今まではそういうことを考えることなく、発言すること自体がダメという風潮だったが、非常にね、僕が言ったところで世間はわーっと「橋下が言った」ということでこうなったが、NHK会長で、それなりの経歴のある人がああいうことを言われたということで、日本国民はしっかりここで考えなきゃいけないと思う。発言が悪いというなら、どの部分が悪いのか論理的に言わないといけない。論理的に論破できる人はいないと思いますよ。