【高木桂一の『ここだけ』の話】
弁当に「赤飯」、通行は「左側」指示、グッズの売り上げ300万円…共産党の“聖地”で見た党大会の舞台裏
「右側」ではなく「左側」であることがミソだ
2014.1.26 12:00[高木桂一の『ここだけ』の話]
日本共産党が15~18日に静岡県熱海市の党員研修施設「伊豆学習会館」で開いた第26回党大会を開いた。平成22年1月以来、4年ぶりに迎えた大会は昨夏の参院選で15年ぶりに「躍進」を果たした余韻冷めやらぬなか、“お祭り”ムードに包まれていた。党員の聖地といえる伊豆で垣間見た革命政党の大会の“舞台裏”を紹介したい。
「会議参加者の皆さんは左側一列通行をしてください」。伊豆多賀駅から伊豆学習会館までの道すがら随所にそう大きく書かれた看板が目に入る。「右側」ではなく「左側」であることがミソだ。その理由について党大会参加者は「共産党だから左なんだよ」ともっともらしく解説するが、真実であるかどうかは不明だ。
トンネルの先から伊豆学習会館までの約1キロの道沿いには一般の住宅も少なくない。共産党大会開催中は、そのエリアの住民には「住」のステッカーが渡される。それが“通行手形”となるわけだ。ちなみに共産党が大会中に使う車両には学習会館の「学」の文字が入ったステッカーが掲げてあった。
息を切らしながらやっとのことで伊豆学習会館にたどり着いたが、真冬なのに汗が吹き出るほど。ジャンパーや上着を脱ぎ、Tシャツ姿で坂道を上る若者もいた。“ゴール”付近には「汗で濡れたままだと風邪を引きかねない」(党広報部)として、参加者の着替えのために更衣室が設けられていた。
党広報部によると、党大会中の売れ筋「ベスト3」は(1)「日本共産党第26回大会記念」と記されたボールペンとノートのセット(500円)(2)インターネット選挙解禁に伴って誕生した特命PR部「カクサン」のキャラクターをあしらったクリアファイル(300円)(3)「カクサン」のキャラクターTシャツ(千円)-だったという。
党大会期間中は連日、幹部を含めた全参加者に昼食として弁当が配布される。なにせ、その数約1200個である。伊豆学習会館の周りには飲食店がないうえ、同会館内の食堂では収容しきれない。ゆえに弁当となる。調達先は、創業者が国府津駅構内で東海道本線初の駅弁を販売したことで知られる「東華軒」(本社・神奈川県小田原市)だ。
共産党だからというわけではなかろうが、党大会初日は「祝 日本共産党第26回大会」の熨斗紙(のしがみ)が付いた特別弁当で「赤飯」だった。やはり、この党にとって大会は「お祝い」「お祭り」なのである。2日目以降は同社の看板弁当が日替わりで出された。弁当だけでも1個700円としても1日ざっと80万円程度かかった勘定だ。