「9条があるから平和だった」の嘘
憲法改正、70年ぶりチャンスを逃すな!
(岡山学芸館高・清秀中学園長 森靖喜)
【回顧・現代を問う②】
平成27年11月10日の「今こそ憲法改正を!1万人大会」でビデオメッセージを送る安倍晋三首相=東京・日本武道館
10年前、話題にしたら袋だたきであった憲法改正が、今ようやく現実のものとなろうとしている。安倍政権のお手柄である。とはいえ、大手・多数派マスコミ、学者、評論家の安倍政権潰しや護憲・改正反対の論調は止む事がない。学校現場でも日教組を先頭に、道徳の教科化反対とともに、平和教育に名を借りた『護憲』教育のオンパレードである。現状では、国民投票で憲法改正の過半数賛成は困難。一人ひとりの理解・志が必要である。
護憲・進歩派が言ってきたこと
戦後70年間、「進歩派」と称する人たちは、憲法の前文にある『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した』は、名文で素晴らしい、そして『憲法第9条があったから平和だった・日本人が作った憲法だから大切に・改正は戦争への道だ』と護憲・改正反対を呼号する。
昨年(注・平成26年)、成立した改正国民投票法により投票権は18歳から、となったことにかんがみ、昨夏、文科省から学校で公正な憲法教育を充実させよ、との通達があり、本学園でも実施している。だが、「他の国に自らの国の安全と生存を依存する」という憲法前文を生徒に理解させることは不可能である。お隣の北朝鮮も中国共産党も東京を火の海にするぞと脅すし、どの国も自国の国益追求で精いっぱい、日本を守る「気」など全くないのが現実である。
よくもマアーこんな嘘を、と言うしかない。『9条があったから戦後70年平和だった』と言う嘘もひどい。中・高校生でも、抑止力なき平和は歴史上存在しないと理解する。自衛隊の存在と「日米安全保障条約」という抑止力があってこそ、冷戦下の平和を享受できたのである。
無理やり飲まされた憲法
日本人が造ったという嘘も今や通用しない。占領軍最高司令官マッカーサー元帥の指示で、占領軍民生局が昭和21年の2月、憲法に関して素人ばかりのスタッフで、しかも一週間で原案をつくり、日本側政府には、これを飲まねば「天皇陛下」の地位が危ないぞ、と脅して飲ましたものである。日本の伝統をずたずたにした憲法を飲まされた悔しさに、その場にいた「白州次郎」が今に見ていろ、と涙したことは有名な史実である。
嘘を教えるのが教育か?その嘘が教育に及ぼす影響を考えてもらいたいものである。国の守りすら他者依存では自助の精神を育むことは不可能である。教育委員会・学校は「自立・自律」「個の確立」と看板を上げながら、「自助努力・セルフヘルプ」を否定しては矛盾も甚だしい。自助は「人間教育」「道徳」の基本である。
明治の先人、中村正直訳「西国立志編」(講談社学術文庫)は、英国のサミュエル・スマイルズ(1812~1904年)著『自助論』の日本語訳で、明治4年に発行され、100万部という超ベストセラーとなった。明治の日本人は欧米の侵略におびえる中でこの本によって『自助の精神』を学び、『日本独立維持』のために日清・日露戦争に立ち向かったのである。さらに、偉大な先人・福沢諭吉が残した『独立の気なき者、国を思うこと深切ならず』に対して、護憲・進歩的文化人は、どう答えるのであろうか。
欧米のまねでなく、先人の教え、日本の伝統に根ざし、『日本の国柄』にふさわしい憲法の成立を楽しみにしたい。(この記事は、平成27年2月19日付岡山県版に掲載されたものです)
森靖喜(もり・やすき) 昭和16年、岡山市生まれ。明治大学大学院卒業後、43年から金山学園(現・岡山学芸館高校)の教諭、岡山市教育委員長などを歴任。現在は岡山県私学協会長、学校法人・森教育学園理事長、岡山学芸館高校・清秀中学校学園長、教育再生をすすめる全国連絡協議会世話人。専門は政治学。
櫻井よしこ氏「来夏の参院選を目標に結集を」
【今こそ憲法改正を!1万人大会】
「今こそ憲法改正を!1万人大会」で挨拶する、櫻井よしこ・美しい日本の憲法をつくる国民の会共同代表=10日午後、日本武道館(野村成次撮影)
有識者らでつくる「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が10日、「今こそ憲法改正を!1万人大会10+ 件」を東京都千代田区の日本武道館で開催し、国民の会共同代表でジャーナリストの櫻井よしこ氏が来年夏の参院選に向け「憲法改正の実現に向けて全員の力を結集していこう」と呼びかけた。次世代の党の中山恭子代表ら衆参両院の国会議員や米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏も出席。安倍晋三首相は衆院予算委員会のため不参加だったが、「21世紀にふさわしい憲法を追求する時期に来ている」とのビデオメッセージを寄せた。安倍首相と主な出席者の発言要旨は以下の通り。
◇
櫻井よしこ氏の主催者代表あいさつ
皆さん、こんにちは。「美しい日本の憲法をつくる国民の会」を主催し、今日ここに1万人の皆様方の参加を得たことを心からの喜びといたします。ありがとうございます。
日本国憲法施行から実に68年。戦後70年の今、私たちは憲法改正の機は熟しつつあるととらえています。憲法は国の基(もとい)です。その時代、その時代、日本国の発展と反映、国民の幸福と安寧な暮らしを守っていくためには、日本国自身が国際情勢の変化に賢く機敏に対応していかなければなりません。
そして今、世界は驚くほど大きく変化しています。南シナ海と東シナ海における中国の行動や、ウクライナと中東におけるロシアの行動は、国際法の順守や問題の平和的解決という決まり事を、力の行使で現状変更を迫る手法で取って替えるものです。
国際法に基づいて秩序と平和を維持するのか。力によって平和を壊し秩序を変えるのか。私たちはそのどちらを世界の基盤とするのか。その答えは明らかであります。
そうした中で、どの国もまず第一に、どのようにして自国を守り通すかという課題に直面しています。同時に、よりよい世界の構築にどのように貢献していけるかという課題も与えられています。
まず私たちは問わなければなりません。現行の日本国憲法で、果たして日本国民と日本国を守り通すことができるのかと。答えは否でありましょう。現行の日本国憲法では、力による現状変更を続ける国々の脅威に対して、わが国はまともに対処することができません。
また、大規模な自然災害に対しても、緊急事態条項さえない現行憲法では、国民の命を守り通すことは困難です。そのほか、現行憲法には家庭のあり方も含めて、いくつもの問題点があることは改めて強調するまでもありません。
したがって、私たちはこうも問うべきでしょう。戦後70年、私たちのこの祖国で、日本本来の長い歴史と文化、文明は大事にされてきたかと。国の根本規範である憲法に、日本らしさはしっかりと表現されているのかと。答えはまたもや否であります。
本来、日本の神髄を凝縮して表現していなければならないのが憲法前文ですが、現在の前文は実は外国のさまざまな文章の寄せ集めです。現代風にいうと「コピペ」であります。そこには日本の歴史も、私たちのご先祖が大切にしてきたさまざまな価値観も、全く反映されていません。
聖徳太子の十七条憲法や明治天皇の五箇条の御誓文の基調をなしているのは、長い歴史の中で育んできた穏やかな文明観であります。国民を慈しみ、国民が互いを尊重し、日本の国柄を大切にする。しかし、日本だけの狭い考えに固執することなく、広く外の世界に学び、国際社会と調和していく。この精神をわが国は大切にしてまいりました。
穏やかに暮らしつつ、道義を重んじ、雄々しさを尊んだのが、日本本来の国柄であります。それが現行憲法には全く反映されていません。
現在、戦後初めて衆参両院で憲法改正の発議に必要な3分の2の議席の確保が可能な状況が生まれています。だからこそ今なすべき大切なことは、国民全員がなぜ憲法改正が必要なのかを互いに確認し合うことでありましょう。憲法問題への理解を深め、改正への決意を新たにし、その思いをいよいよ固くしていくことでありましょう。
広く議論し、来年7月の参院選を一つの目標として、憲法改正の実現に向けて、全員の力を結集してまいりましょう。今日ここに集いました熱い心をさらなる力の源泉として、日本国憲法を本当の意味で日本国民の手に取り戻すために、全国津々浦々、日本を愛するみんなの力を合わせて、一緒に改正を実現してまいりましょう。今日は本当にありがとうございました。
平日の午後2~4時という厳しい時間帯、しかも小雨交じりの生憎の天気の中、目標を上回る11,321名もの方が、日本武道館に集まって下さいました!
公式ウェブサイトによると、日本武道館の最大座席数は立見席も入れて14,471席だそうですが、ステージが見えない場所は立ち入り禁止ですし、壇上の私から見ても満席でした。
http://www.nipponbudokan.or.jp/about/gaiyou.html
これがリアルな、「主催者発表11,321名」です。
決して11万3,210人ではありませんよ!
決して11万3,210人ではありませんよ!
大きい数字を数えるときにケタを
間違っちゃう人たちは、参考にして下さいね。(^^)