【悲報】北岡伸一氏がTBS金平茂紀氏のインタビューに答えたら容赦なさすぎて、ひいた。無編集だとこうなるのか…。
【全文革命】
だから今、紹介したほうが読者の興味を惹くだろう。
しかし、あかんわ・・・完全に途中から北岡氏が金平さんを圧倒して、というかもはや「ゼミ生に教える」モードになってる。ノー編集だとこうなるのか…。
金平キャスター北岡氏そうです。金平キャスター例えば、報告書にどういう形で登場するかわかりませんが、例えば砂川事件最高裁判決の時、一審からいろいろありましたけど、その頃、一般的市民の間で、集団的自衛権というのが、意識されたり、論議の対象となったことは無かったですよね?北岡氏ありません。金平キャスター無かったですよね。ということはつまり、にわかに脚光を浴びてきた・・・。北岡氏いや、それは違いますよ。個別は良いけど集団はだめという観念も無かったですよ。
金平キャスター憲法九条の条文との関係で、これはまあ、割りとフラットに読みますよね、その関係で、海外での武力行使は、なかなかどうひっくりかえしても出てこないんじゃないかという意見がありますよね? 北岡さんはどうお考えになりますか?北岡氏私はそう思いません。あなたの説明自身に既にバイアスが入っているんですよ。金平キャスターバイアスは入ってないですよ。北岡氏いや。金平キャスターフラットに読めば、こういうことだという意見の人もいますけども、北岡さんはどう思いますかと。僕の意見を言っているのではないですよ。北岡氏金平キャスター北岡氏
北岡氏(中略)反対のかたというのは、集団的自衛権の行使を一切どんな状況にも要らないという、そういうかたの対立なんですよね。一切ゼロであるべきかという議論か、ひょっとして必要かもしれないから、それは可能なようにしておこうという対立なんですよね。金平キャスター極端に言うとそうですが。北岡氏いや極端ではない。金平キャスター現行の個別的自衛権の行使、あるいは警察権の行使で、今言われているような事態は、対処可能ではないかと、そういうような考え方の人もいますね?北岡氏
金平キャスター北岡氏最悪の事態ってなんですか?金平キャスターいや例えば、自衛隊員に死者が出るとか、血を流すみたいなことがあり得ますよね。少なくとも日本の戦後の歴史の中で、これまでの歴史の中で自衛隊が海外へ出かけていって血を流したり、相手を殺傷したりということはないですよね。そういう意味では質的に物凄く変わるんじゃないですか?北岡氏これはですね、勿論そういうことはあって欲しくないし、ないようにできるだけの努力はすべきですよ、だけども今の法制度でもありえないことはないですよ。今のPKOでもあり得る話ですね。金平キャスターしかし今までなかったことが、これによってなお可能性が増すという、もっと大きくなるということはありませんか?北岡氏それはどうでしょうか。それはそうかもしれないし、そうでないかもしれません。というのはですね、"何々の恐れ"ということを皆さんよくいうんだけれど、"恐れ"の中には、"不作為の恐れ"というものもあるんですよね。
金平キャスターそんなこと言っている訳じゃないんです。北岡氏じゃあ何ですか?金平キャスターですからつまり、兵を出さないということによって、築かれたものの重みというのはあるんじゃないでしょうか、ということを申し上げているんです。北岡氏いや日本のPKO参加はとても評価されていますよ、世界では。金平キャスターPKO参加自体について、私は是非を言おうなんていうことは全く考えていませんし、PKOについての評価は、ご承知のようにそれは、例えばカンボジアとか、ああいうところでの活動があったから、実は今カンボジアが民主化されてとか、そういうことをおっしゃる方がいるということは勿論存じ上げていますけどね。北岡氏知っているだけで評価はしないわけですね、あなたは?金平キャスターいや、そんなことはないですよ。北岡氏評価しているとすれば、はっきりそう言って下さい。
金平キャスター友人の新聞記者から言われてきたのは、(インタビューで)北岡さんが"憲法は最高規範ではなく上位に道徳律や自然法があって、憲法だけでは何もできない。その意味では憲法学は不要だという議論もある"とおっしゃったと。この趣旨は正しいんですか?北岡氏それは東京新聞の悪意に満ちた歪曲ですね。テープを聴いたらかなり歪曲だということがわかりますよ。そう言ったのはですね、憲法は国内における最高規範ですよ。書かれたものとしてね。でも例えば憲法に、大日本帝国憲法というのを見てみましょう。そこにいろんな制約もあるしね。あるいは憲法に、色んな国に国教は何々教だと書いてあると、仮に日本国憲法に職業選択の自由を認めないと書いてあっても私はそれを認めないと。人間はそれぞれの道徳的規範で根源的によって立つべきものであって、憲法に書いてあることにすべて一から十まで服従するというのは、原理的に成り立たない。そういう意味なんですよね。法哲学的議論ですよ。第二にですね、憲法だけじゃ何もできない、というのは要するに、憲法の下に行政法があってね、それでできる訳でね。例えば明治国家というのは明治元年にできてからですね、憲法ができたのは20年(後)くらいですよ。憲法ができるまで、じゃあちゃんととした行政してなかったのかというと、一応きちんとやっているんですね。だから憲法がなくても、まあまあ行政はできることもあると。ですから行政法優位説というのはあるんですよ。だからそういう意見の人もいると。私の意見だとは言ってないでしょ。だからそれは、あたかも私の意見であるかのような、また前後の文脈を取り除いて、私は憲法を軽視しろといっているような、非常に悪意に満ちた表現で。私は憲法は大変重要だと思うから、これを守って生かしていくためには、憲法の中の最も重要なのは、憲法の中でも重要性の論点があると思うんですよ。私は国家国民の安全だと思いますよ。安全無しには、基本的人権も幸福追求権もありませんよ。だからそれを守るために、国の安全をどう考えるか、これはやっぱり最上のルールの一つだと思うんですよね。その安全保障の条件は、時代によって凄く変わるんですよ。
個人的には「やめたげて」という感想だが、違う評価のかたもおられるだろう。
だが、興味深いインタビューであることは間違いないでしょ?
しかし、そもそも「議論の勝ち負け」を問題にする必要はないので、これはインタビューなのだから、北岡氏の考えを非常に分かりやすく、面白く読者、視聴者に提示したという点では、金平氏が最初から最後まで大勝利であった、と見ることもできます。そういう点では盛大な拍手を送りたい。
【全文革命】そもそも無編集の全文を載せたTBSがエライ!!それとも北岡氏の要求?条件?
それとも、北岡伸一氏からこういう要求、条件があったのだろうか?そういうことも考えられる。
そこから発展して…
【全文革命】対立的なインタビューが予想される時、相手側から「インタビューを受ける条件として、番組(新聞、雑誌)の公式サイトでは全文のやりとりを掲載してほしい」と要求する手法が出てくるかもしれない。
※注釈
テレビ番組も新聞雑誌も、放送時間や掲載面のスペースが限られているのだから、「全部を載せろ」はむり、ムチャな要求。拒否しても合理的な判断であり、要求するほうが無理難題を言っていると思われるだけだろう。だが「公式サイトを使ってそこに載せろ」なら、これは物理的に可能。拒否するほうが「都合のいい編集をテレビ(紙面)でしてるのか?」「全部を載せると相手のほうに説得力があるんじゃないか?」となるだろう。
もちろん、これは被取材者の知力や事実のゆるぎなさに掛かっているのであって、全部のやり取りを見られたらもっと被取材者のほうに不利になるかもしれないわけだ(笑)。だからそんなに広まるかどうかは分からないが・・・「オプション」のひとつになったとは言えるかもしれない。
これは以前からもあった話で、わたしの記憶する限りでは本多勝一氏が、取材を受けた時などにすごく膨大な量の回答を送りつけ、「これを全部載せるならOK、一部だけなら拒否」とやったことがあった(笑)。たしか「噂の真相」や「創」の関係者も、それにうんざりした、と書いてたかな…ちょっとあいまいだが、そんな例を記憶している。
以前、すこし書いていたよ。
今後の予想。将来は「喧嘩系インタビュー」を受けた側の自衛策に?
政治家なんか特に「一部だけ切り取られた!全体を聞いてくれれば分かるのに」とか「XXXに対し僕がこういった場面はカットされた」とかの不満を述べる。そういうとき、本当に「全体を聞けば分かる」と思ってる人は、そういう公開をするかもしれない。録音機器も録画機器も、個人で持てる今の技術革命も後押しする。
見えない道場本舗より転載
d.hatena.ne.jp/gryphon/20150406/p3