【南シナ海問題】
中国軍研究者
米国は、絶対に勝てる自信あるのか
中国軍研究者
米国は、絶対に勝てる自信あるのか
カーター国防長官批判に反論
中国軍と関係が深いシンクタンク、
中国戦略文化促進会の羅援常務副会長(元少将)は、
カーター米国防長官が南シナ海で岩礁埋め立てを進める中国を批判したことをめぐり
「中国は局地的な軍事闘争の準備をしている。
米国は絶対に勝てる自信があるのか」
とけん制した。
1日付の共産党機関紙、人民日報系の環球時報に掲載された評論で羅氏は、南シナ海は「中国の玄関先」だとして地理的優位性を指摘。中国軍が米軍に対する戦力面での「多くの劣勢を克服できる」と主張した。
さらに、仮にある局面で米軍が勝利したとしても、
中国は絶対に受け入れることなく長期戦に発展するとして
「米国は持久戦への準備はできているのか」
と指摘した。
環球時報も社説で
「米国の脅しに屈して中国が後退すれば、
悪い先例になってしまう」とし、
「米国が何をしようと岩礁での建設を停止すべきではない」
と主張した。(共同)
産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/150601/wor1506010023-n1.html
世界のガン
中国を消す日米
「レーザー相殺手術」
中国を消す日米
「レーザー相殺手術」
左翼や野党の多くは、今国会で関連法案成立を目指す安倍晋三政権の安全保障政策を「米国の戦争に巻き込まれる」「戦争に突き進む」と批判するが、既に米国は中国との“一戦”を視野に入れている。米戦略予算評価センターが1月に発表した《相殺戦略=オフセット・ストラテジー》や、直前の2014年11月に米国防総省が公表した《国防イノベーション・イニシアチブ=DII》が、覚悟を裏付ける。
主敵は中国
相殺戦略は国防費の大削減の中、技術面はじめ現行の優位を発展させ、敵対者の量的優位を「相殺」する大戦略である。主敵は異常な速度・規模で軍事膨張を強行する中国と観てよい。具体的には空中空輸可能な無人艦上機等による作戦/無人潜水機等による海中作戦/長距離・ステルス航空作戦…などの加速度的進化とその統合・複合化を提唱。作戦構想に向け、優位な軍事技術にさらに磨きを掛ける。逆に、優位な技術を作戦に活(い)かす。
長距離打撃力強化は避けて通れぬ戦力の一つで、レーザー/マイクロ波=電磁波兵器の開発→配備や宇宙からの攻撃も想定する。夢ではない。1950年代はソ連の膨大な通常戦力を「相殺」すべく《核戦力による大量報復=抑止戦略》、70年代には核戦力も比肩し始めたソ連に対し、GPS誘導システムと精密誘導兵器、ステルス技術、早期警戒管制機(AWACS)といった偵察兵器と戦闘管理とのシステム一元化などで、優位を維持してきた。
《第3次》となる今次相殺戦略へも米国は本気で取り組んでいる。しかし、今回は対中姿勢に疑問符の付く米政権や予算不足に加え、最先端技術が軍民で相互乗り入れしている点で、中国に機密が漏れやすくなっており、前途にはモヤがかかる。だからこそ、自衛隊の精緻な戦闘力+日本の科学技術力面での支援が不可欠になる。むしろ米国を「巻き込み」、総合的軍事力の優位=抑止力を盾にした「戦争に突き進まない」戦略以外、選択肢は見当たらぬ情勢
超電磁砲と電磁波版MD
米海軍研究所(ONR)が2月に実射した最新兵器は、火薬を発明した中国にさぞや衝撃を与えたことだろう。火薬ナシで格段に速く・遠くに飛ばし、巨大な打撃を与える《超電磁砲=レールガン》が10年以内に海軍艦艇に搭載され、中国軍をにらむ仕儀となるのだ。レールガンは電磁エネルギーを利用し、電気伝導体のレールに挟んだ物体を磁場作用ではじき出す兵器。100分の1秒以内にマッハ7(秒速2500メートル)まで加速する。比較的速い戦車でさえ発射速度は秒速1800メートル前後で、もはや比較の対象にならぬ。
射程も200キロを軽く超え、米海軍既存の5インチ砲の射程25キロ弱は無論、大日本帝國海軍が誇った軍艦大和の主砲42キロをも凌駕する。500キロ以上の達成は時間の問題だ。発電所単位という巨大な消費電力の削減や電源+発射システムの小型化が成功し、研究・開発の余地は多いが、最低限の実戦配備にメドはついた。
レールガンより5年程度早く、中国軍に立ちはだかる兵器もデビューした。ONRが開発し、2014年12月の実射で小型船舶と無人偵察機を葬った艦載の《レーザー・ウェポン・システム》だ。ミサイル発射は1発数十万ドルもするが、レーザー砲は1照射当たり1ドルに満たなく、DIIや相殺戦略のコンセプトにも合致する。実弾・ミサイルの格納スペースは不要で、被弾時の危険性も逓減できる。
破壊力を高め戦闘機やミサイルも標的に性能向上が進む。特に弾道ミサイルはマッハ20(秒速7000メートル)級で襲来し、ミサイル防衛(MD)システムが発射するミサイルでの迎撃は完璧ではない。だが、光速=秒速30万キロ前後で照射される電磁波を使ったMDの完成は、日米の防衛力を前例がないレベルに高める。従って、米国の軍・企業は迎撃ミサイルの研究→開発→配備を反復する一方、超高度技術の壁故に積極性の時期的濃淡はあるものの、電磁波版MDの研究・開発をやめなかった。米側は過去、この分野で高い民生技術を培ってきた日本の民間企業に何度も技術協力を打診してきた。従来型MD同様、電磁波版MDの日米共同開発は、国益を損なわぬやり方を担保すれば実施すべきだろう。
科学で「飽和攻撃」に対抗
何となれば、日米両国は国防費への大逆風にさらされる半面、科学・技術面では対中優位を堅持している。中国の量的優位を「相殺」する大戦略の共有は大いに理に適う。中国軍は質も飛躍的に高めているが、最大の脅威は兵器のおびただしい数だ。ミサイルにせよ戦闘機にせよ、旧世代型でも撃ち落とすには十分な迎撃能力や弾・ミサイル数が必要となる。冷戦時代、総合戦力の対米劣勢を憂いたソ連軍も、米空母機動部隊の迎撃能力を超える大量のミサイルを爆撃機や潜水艦が集中発射し艦艇を撃沈する「必殺」戦術を立てた。《飽和攻撃》と呼ばれ、米軍は多目標に同時対処できるイージス・システムを開発し対抗した。世界屈指の戦闘力を持つ航空自衛隊が一発必中の迎撃を繰り返しても、「矢弾」が尽きた時点で、敵の前世代機を前にワンサイド・ゲームに陥る。
そこで、科学技術力に裏打ちされた電磁波兵器など最先端兵器の組み合わせ=総合的軍事力で、中国軍に「負け」を悟らせ、戦端が開かれる以前にお引き取り願うのだ。
気になるのは、わが国の防衛体制だ。集団的自衛権の限定的行使容認程度で批判が起きる国際的非常識も致命的だが、技術防衛もお粗末極まりない。相殺戦略も重視するステルス性を支える炭素繊維は、日本が最先端を走るが、同盟国とはいえ米国に安売りしてしまった。精密機械/冶金/ロボット/デジタル・カメラ/再生エネルギー/ナノ/液晶/ウェアラブル(携行)端末…、中国は合法・非合法あらゆる手段を駆使して日本の先進技術を強奪している。だのに、日本は売れば国益に資する兵器を禁輸し、売ってはならぬ「利敵民生品」を平然と輸出する。
もっとも中国は既に、一部の電磁波兵器を遮断できる「防衛網」を確保した。PM2.5の大気汚染は、波長にもよるが電磁波を遮断する。人民の健康を損ねる真っ黒な空が「人民の盾」ではないと信じたい。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)
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