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金正男氏が暗殺された…これが現実だ 骨抜きの「テロ準備罪」を喜ぶのは誰だ?

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金正男氏が暗殺された…これが現実だ
骨抜きの「テロ準備罪」を喜ぶのは誰だ?
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 金正男氏がマレーシアで猛毒の神経剤VXを使って暗殺された。事件は、異母弟の金正恩朝鮮労働党委員長の指令による「国家犯罪」が濃厚となった。日米首脳会談の最中には弾道ミサイルを発射した。北朝鮮の暴走はエスカレートしている。これが隣国で起こっている「現実」だ。だのに日本は何をしているのか? 
 テロを目の当たりにしながら、共謀罪の要件を厳格にした「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議は遅々として進まず、犯罪集団の認定基準など骨抜きにされる一方だ。
 これを喜ぶのは一体誰か?
 また、PKOの日報をめぐって防衛大臣や防衛省職員がつるし上げられる。問われるべきは、PKO参加が我が国の安全保障と国際社会の一員として必要か否かだろう。些末な「言葉遊び」に耽って、安全保障まで政争の具としてもてあそぶ国の未来は危うい。
 国連は2000年、テロと対峙するため、「国際組織犯罪防止条約」を採択した。各国に共謀罪を設けることを求めて批准の条件とし、すでに187カ国が締結している。だが、共謀罪を持たない日本は先進7カ国(G7)で唯一、締結に至っていない。国連加盟国で未締結国は日本を含め、イランやソマリア、南スーダンなど、11カ国にすぎない。
 安倍晋三首相が国会で、「条約を締結できなければ東京五輪を開催できないと言っても過言ではない」と明言した重要法案だ。法が整備されなければ、国際社会からテロの事前情報を受け取ることができず、受け取っても対処する法令がないという事態に至る。
 ところが「共謀罪」を盛り込んだ法案は野党などの反対で、これまでに3回廃案となっている。
 民進党の蓮舫代表は1月26日の会見で、「法案名、タイトルを変えれば懸念が払拭されるというものではない。特にこの政権はお化粧する法案が大変多くなっている。やはり問われるべきものは中身だと思っている」と批判した上で、「(批准するために)新たに法を作り上げた国はわずか2カ国しかない。
  そもそもあった法律で対応している世界の加盟国、批准国の現状が明らかになっているので、果たして今のわれわれの刑法の体系で対応できるのかどうかも含めて、少し冷静にわれわれの党の中でも議論したいと思う」と注文した。さらに「テロに対応を取ることは否定はしない。ただ、テロという名前を借りて過剰なまでに国民を監視する、あるいは国民の自由な活動を制限することはあってはいけない」と釘をさした。
 さらに民進党は「罪のない人に嫌疑がかけられる可能性がある」「一般人も対象になりうる」など、左翼マスコミと共に国民を誤解させ不安をあおる。
 もう一度書く。骨抜き法を喜ぶのは誰だ?
 与党もだらしがない。法案成立自体が目的化しており、野党と妥協を繰り返した法案ではテロに対峙できない。あくまで最善を貫くべきだ。国民から「3分の2の改憲勢力」を与えられているのだ。
 民進党は国会戦術として、金田勝年法相と稲田朋美防衛相の辞任、文部科学省の天下り問題を軸に据えている。「立法府の質問を制限する前代未聞の文書を配布した法相。日報を隠蔽した防衛相。天下り斡旋を隠してきた文部科学省…。隠蔽政権と断ぜざるをえない」とレッテル張りに終始する。
 政権追及の新たな材料として、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題も加わった。
 そんな中、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題をめぐり、稲田防衛相は21日、民進党の後藤祐一衆院議員が防衛省の30代の女性職員に威圧的な言動をしたとして抗議した。後藤氏も同日、会見を開いて事実関係を認めた上で防衛省に謝罪したと説明したが、稲田氏辞任を要求している民進党にまたもブーメランが決まったのだった。
 後藤氏は16日夜、予算委員会の質疑にからみ、防衛省の官僚数人から説明を受けた。これに納得しない後藤氏は数時間にわたり、大声を上げたり、机をたたいて抗議した。
(以下略)
転載元


【ニッポンの新常識】

正男氏暗殺は日本でも容易

朝鮮学校に補助金支給する地方自治体も

独裁者に忠誠を尽くす理由

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 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏が、13日の白昼堂々、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺された。

 監視カメラがとらえた、わずか2秒ほどの犯行時の映像は、まるでスパイ映画のワンシーンのようだった。報道番組だけでなく、ワイドショーやバラエティー番組でも、事件を連日、長時間取り上げている。

 私も出演した19日放送の読売テレビ系「そこまで言って委員会NP」で、北朝鮮専門ニュースサイト「デイリーNKジャパン」を運営する高英起(コウ・ヨンギ)氏は、金一族である正男氏の暗殺命令は、最高指導者の正恩氏以外には出せないと語った。

 確かに、正恩氏の許可なく異母兄を暗殺し、それがもし独裁者の逆鱗に触れたなら、暗殺犯や黒幕は確実に粛清される。

 正男氏や正恩氏の叔父であり、一時は正恩氏の後見人と目されていた張成沢(チャン・ソンテク)氏は2013年12月に失脚し、粛清された。機関銃の弾を数十発撃ち込まれ、遺体は火炎放射器で跡形もなく焼かれたとの情報もある。

 「まるで映画だ」などと、のんきに話している場合ではない。正恩体制になってから、北朝鮮は完全に歯止めが利かない国になった。猜疑心が強く、義理人情や忍耐に欠ける若い独裁者には、諫言など不可能だ。

 尊崇の証か、粛清への恐怖心のせいかに関係なく、正恩氏に忠誠を誓う僕(しもべ)の行動は、日本や米国の国益に反する。核開発を続けつつ、数多くのミサイルを日本海に撃ち込んだ北朝鮮に、実は、日本の先端技術や研究情報などが持ち込まれた可能性は高い。だが、日本にはスパイ防止法がない。

 13年1月、日本に帰化した元北朝鮮籍の男性が、暗号を用いた軍事リポートを北朝鮮に送信していたことが発覚した。昨年5月2日の産経新聞によると、京都大学原子炉実験所の韓国籍の男性准教授は、北朝鮮や朝鮮総連と密接な関係がある「金万有科学振興会」から、核技術に関する研究で奨励金を得ていたという。

 産経新聞は昨年9月20日、朝鮮大学校が同年5月、日米壊滅を目指す手紙を正恩氏に送っていたと報じた。いまだに、朝鮮学校に補助金を支給する地方自治体があることが理解できない。

 正男氏暗殺事件は、要人暗殺テロが日本でも容易なことを証明した。そもそも、日本はオウム真理教による大規模テロの発生現場である。

 スパイ防止法やテロ等準備罪に反対する人々は、何に忠誠を誓い、何を守りたいのだろうか。


 ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人』『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』(いずれもPHP研究所)、『日本覚醒』(宝島社)など。


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