トランプ氏は中国と対決姿勢
南シナ海に戦雲が広がる
トランプ氏は「対中強硬路線」をあらわにした(AP)
ドナルド・トランプ次期米大統領の中国へのスタンスは挑発的である。あるいはそのやり方は、トランプ氏好みの「アメとムチ」かもしれない。
通商面では強硬で「45%の関税をかける」「中国を為替操作国として認定するよう財務省に要請する」としながら、他方では習近平国家主席との電話会談で「中国は偉大な文明国だ」と持ち上げた。
台湾の蔡英文総統からの祝賀電話を受けながら、同じ日にキッシンジャー元米国務長官が北京を訪れ、なにがしかのメッセージを伝えた。
さらに親中派のテリー・ブランスタド氏(アイオワ州知事)を、次期駐中国大使に任命するという案配である。
南シナ海問題では、予備選中から本番選挙にかけて取り立てて言及がなかった。
あれほどオバマ大統領の外交政策の逐一を批判してきたトランプ氏なのに、南シナ海問題で発言が控えられた理由は、周囲に外交ブレーンが乏しく、おそらくどう対応すべきか迷ったからであろう。
ところが、過去の発言をたどると、トランプ氏は中国を明確に「敵」としている。
2015年6月16日の出馬表明でトランプ氏は次のように語った。
「私が中国を敵として扱うことが面白くない人間もいるが、やはり中国は敵以外の何者でもない。米国は深刻な危機に直面しており、『勝ち組』だったのは昔話である。最後に米国が誰かを打ち負かしたのは何時だった? 中国に貿易で米国が勝ったことがあるのか」
通商面では強硬で「45%の関税をかける」「中国を為替操作国として認定するよう財務省に要請する」としながら、他方では習近平国家主席との電話会談で「中国は偉大な文明国だ」と持ち上げた。
台湾の蔡英文総統からの祝賀電話を受けながら、同じ日にキッシンジャー元米国務長官が北京を訪れ、なにがしかのメッセージを伝えた。
さらに親中派のテリー・ブランスタド氏(アイオワ州知事)を、次期駐中国大使に任命するという案配である。
南シナ海問題では、予備選中から本番選挙にかけて取り立てて言及がなかった。
あれほどオバマ大統領の外交政策の逐一を批判してきたトランプ氏なのに、南シナ海問題で発言が控えられた理由は、周囲に外交ブレーンが乏しく、おそらくどう対応すべきか迷ったからであろう。
ところが、過去の発言をたどると、トランプ氏は中国を明確に「敵」としている。
2015年6月16日の出馬表明でトランプ氏は次のように語った。
「私が中国を敵として扱うことが面白くない人間もいるが、やはり中国は敵以外の何者でもない。米国は深刻な危機に直面しており、『勝ち組』だったのは昔話である。最後に米国が誰かを打ち負かしたのは何時だった? 中国に貿易で米国が勝ったことがあるのか」
そして、同年11月のテレビ討論会では、「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)なんてトンデモナイ。中国がいつものように裏庭から入り込んで、だまし取ろうというのがTPPである」と発言した。
北朝鮮問題に絡めて、こういう発言もしている。
「北朝鮮問題は中国が簡単に解決できるのに、これを利用して米国を操作したいため、問題解決に努力しない。北朝鮮問題を解決できない中国なんぞ潰してしまえ」(16年1月6日、CNN)
こうして過去の発言をフォローすると、トランプ氏の中国観が自ずと浮かび上がり、基本的に中国とは対決姿勢になるだろう。
中国の反応も、南シナ海で米国の無人潜水機を捕獲し、西太平洋に空母「遼寧」を派遣するなど、これまでなかった対米強硬姿勢を見せつけている。南シナ海に戦雲が広がっているようである。 =おわり
■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『世界大乱で連鎖崩壊する中国 日米に迫る激変』(徳間書店)、『日本が全体主義に陥る日』(ともにビジネス社)など多数。
北朝鮮問題に絡めて、こういう発言もしている。
「北朝鮮問題は中国が簡単に解決できるのに、これを利用して米国を操作したいため、問題解決に努力しない。北朝鮮問題を解決できない中国なんぞ潰してしまえ」(16年1月6日、CNN)
こうして過去の発言をフォローすると、トランプ氏の中国観が自ずと浮かび上がり、基本的に中国とは対決姿勢になるだろう。
中国の反応も、南シナ海で米国の無人潜水機を捕獲し、西太平洋に空母「遼寧」を派遣するなど、これまでなかった対米強硬姿勢を見せつけている。南シナ海に戦雲が広がっているようである。 =おわり
■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『世界大乱で連鎖崩壊する中国 日米に迫る激変』(徳間書店)、『日本が全体主義に陥る日』(ともにビジネス社)など多数。
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