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あの看板キャスターたちの「黒歴史」

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あの看板キャスターたちの「黒歴史」
今春、偏向番組のそしりを受けながら長年、看板キャスターを務めた古舘伊知郎氏と国谷裕子氏が降板した。両氏が司会を務めた番組はその後も続いているが、強烈な個性を失った影響は計り知れない。というわけで、あの偏向番組を仕切った2人の「黒歴史」をひも解き、その罪と罰を検証しよう。


何度も謝罪に追い込まれ

古舘伊知郎と国谷裕子
去りゆく「名」キャスターたちの
罪と罰

イメージ 1

中宮崇(サヨク ウォッチャー)
 アインシュタインが100年前に相対性理論において予想していた「重力波」がついに観測されたとかで、「天文学における一大革命だ」などと世界中が騒がしい。ところが頭のおかしい反日サヨクたちにとっては、そんな人類史上の大ニュースも、反安倍運動のための燃料でしか無い。試しにツイッターやグーグルで「重力波 安倍」というキーワードで検索してみて欲しい。「重力波の歪みか?安倍歪みは解明出来てるだけど、何とかなりませんかネ?」「安倍政権が歪んでいるのは重力波のせいと把握(笑)」「安倍脳内は重力波による時空の歪みで歴史修正されているのか。いや、そんな複雑な脳内ではないよな」等々。

 重力波に限らない。こうしたサヨクの脳内においては、この宇宙におけるあらゆる事件事故は「安倍の陰謀」である。北朝鮮がミサイルを発射した際に「北朝鮮 ミサイル 安倍」で検索すれば「北朝鮮のミサイル発射は安倍の陰謀」と喚き立てるサヨクを大量に観測できるし、台湾地震で死者が出た時は「台湾地震は安倍の陰謀」という意味不明の言説のオンパレード。「市民団体」だの「無党派層」だのを詐称し、「反戦平和」と絶対正義を悪用して振りかざしながら、その実極めて異様な反日、差別活動を行うことがまかり通っているのが我が国の現状だ。しかし、状況は更に深刻である。なにしろ、テレビ局のニュース・報道番組まで「この世の全ての事件・災害は安倍のせい、安倍の陰謀」と騒ぎ立てるサヨク同様の低質なオカルトまがいの番組で溢れているのだから。

意外にマシな報ステ

 古舘伊知郎がテレビ朝日「報道ステーション」のメインキャスターを辞めるらしい。2004年4月5日の放送開始から12年に渡り平日深夜の時間帯における他局報道番組を引き離し、視聴率トップを独走して日本の夜のお茶の間を支配してきたお化け番組にとって、大事件である。12年前の放送開始当初から毎回欠かさず録画し放送内容を監視してきた報ステオタクの私としては、極めて残念な降板劇だ。なぜなら、我が国にはびこる「この世の全ての事件・災害は安倍のせい、安倍陰謀」といわんばかりの低質なサヨク報道番組において、報ステは、〝比較的マシ〟であるからだ。

NHK放送センター=2011年4月、東京都渋谷区神南
NHK放送センター=2011年4月、東京都渋谷区神南














 一般に、テレビ朝日の報道ステーションとTBSのNEWS23は、あの時間帯における「反日サヨク報道番組の双璧」とみなされている。ここにTBSの日曜朝のワイドショー、関口宏の「サンデーモーニング」を加え、「三大反日サヨク報道番組」と見る向きもあるし、最近は、国谷裕子が司会を務めるNHKの「クローズアップ現代」を合わせた四番組が、「偏向報道」「反日報道」等の批判を頻繁に受けているといっていい。しかし読者には意外であろうが、これら四番組を十数年間に渡り一々全て録画し監視してきた私に言わせれば、報ステは間違いなく他の三番組よりマシな報道番組だ。

 無論、報ステは決して理想的な報道番組などではない。サヨクであることは間違いないし、他の三番組同様、プロにあるまじき幼稚なミスや悪意ある捏造もある。しかし、それでもNEWS23やサンデーモーニング等が「幼稚でモラルに欠けるアマチュア」な上に、一貫して「親北朝鮮・親支那の反日プロパガンダ番組」という、ある意味、筋の通ったサヨクであるのに対し、報ステは親北朝鮮・親支那でも反日でもない。単に「幼稚でモラルに欠けるアマチュア」なだけである。その意味において「マシ」なのだ。

 報ステは他の三番組に比べ、良くも悪くも「視聴率至上主義」である。NEWS23やクローズアップ現代等が明らかに視聴率を二の次にすることがあるのとは大きく違う。実際、その方針は成功によって報われており、報ステの視聴率は常に約15%をキープしている。ただし、この視聴率至上主義が、報ステを「反日」「反安倍」に見せる。要するに報ステは視聴者が求めているものを提供しているだけなのである。大衆が求める、無責任ではあるが痛快な辛口床屋談義を投げ与えていることに徹しているのである。大衆が求めるものであれば時に「反日」報道も行うし、同様に求められれば、正当な北朝鮮バッシングも行う。報ステにあるのはイデオロギーではなく商魂なのではないか。少なくとも、私が、NEWS23に感じるような「優秀なオレサマが愚かな大衆を導こう」などという、インテリのサヨクらしい思い上がりは無い。その点が、視聴率に悪影響があっても常に反日反安倍に勤しむNEWS23やサンデーモーニング等と異なっている。

公正な三流サヨク?


 故に報ステは、大衆が嫌悪する「ウソ」や「二枚舌」等の批判にも敏感だ。NEWS23やサンデーモーニングとは、一線を画す。

 例えば、NEWS23は最近、衆院議員を辞職した自民党の「育休議員」、宮崎謙介をめぐる不倫騒動を取り上げて、安倍政権叩きの格好の材料として非難していたが、一方で06年に山本モナとの不倫を報じられた民主党細野豪志については、非難どころか徹底的にスルーを決め込み、むしろ擁護の姿勢を示した。明らかに矛盾する対応だが、なにがなんでも保守系の政党を叩くという意味では、これは由緒正しい一流のサヨクである。しかし、報ステは、どちらのときも、ひとまず公平に批判していた。〝由緒正しい一流〟のサヨクから見れば、誤った三流の報道であろう。

 古舘やスタッフが特に「公正」や「正義」を重んじているのではなく、卑劣なウソや二枚舌は視聴者にそっぽを向かれるという当たり前の常識と処世術をわきまえていれば、そうなってしまうのである。いくら口先だけでは御大層な正義を振りかざしても、その態度がダブルスタンダードであれば大衆の支持は得られないことは、民主党やSEALDs等のサヨクの凋落を見ても明らかだろう。

 報ステはサヨクに対しても厳しい態度を示すことがある。15年3月27日には、反日サヨクとしてもてはやされていた元経済産業省官僚のコメンテーター、古賀茂明とバトルを展開した。

古賀茂明氏古賀茂明氏
 その日、「サウジ主導の空爆続く 緊迫イエメン〝宗教対立〟」と題したニュースの中で、古舘が古賀にコメントを求めた途端、古賀は突然、電波ジャックともいえる行為を始めた。

「ちょっと、そのお話する前に、あの私、今日が最後ということでですね…」。こう切り出した古賀は、ニュースを無視して、自分がテレ朝会長と古舘プロダクション会長の意向で降板させられることになったとか、官邸からバッシングを受けたとか、サウジもイエメンも何の関係もない、自分の恨み辛みを、証拠も示さず滔々とまくし立てた。たまりかねた古舘は「ちょっと待って下さい! 古賀さん!」と強制的に中断させ、「それは違うと思いますよ?」と発言内容を否定した。番組を放送するテレビ局と自分の事務所の会長を批判されたのだから、慌てるのも当然と言えば当然だが、一流サヨクからみれば、「なんで官邸批判を止めるんだ」と不満なはずである。もちろん、常識ある視聴者の信頼獲得には大いに貢献したはずだが…。

 支那や北朝鮮に対する態度も、報ステの態度は他の反日報道番組とは一線を画し、「尖閣は日本領」という当然のことも、明確に報じてしまう。これも一流の反日サヨクから見ると、三流の行為であろう。

 例えば、11年12月13日、韓国海洋警察の隊員が中国漁船の船長に刺殺されたという事件関連のニュースは、報ステもトップで「中国漁船 船長らに『逮捕状』 韓国デモ〝激化〟…外交問題に『影』」と題し大きく報じたが、古舘は「日本の領土である尖閣諸島にも(中国漁船が)出没している」とコメントし、支那の脅威に警鐘を鳴らしている。一方、同じ日のNEWS23(NEWS23X)は、トップで「海洋警察の隊員刺殺 韓国で反発強まる 中国は…」と報じたものの、報ステと異なり、中国船の日本に対する蛮行には触れず、尖閣が日本領であること等はスルーした。

 NEWS23にとっては「反権力」は実は「反日」「反安倍」でしかないのだろう。先に示したように、同じ権力の側でも自民党の不倫は批判するのに、民主党の不倫には甘い。11年の東日本大震災の際には、当時政権を担当していた民主党に配慮したのか、原発放射能漏れ報道や政府批判も極めて抑制されたものだった。日本による過去の「アジア侵略」を口汚く罵る一方で、支那による侵略には甘いというダブルスタンダードを隠そうともしていない。支那によるチベット侵略を肯定するコメントも、VTRなどで多く紹介されている。「中国の行為を悪と決め付けるのは難がある」「中国は侵略したことのない国」等、もちろん番組がこれを全面肯定しているわけではないが、ぶっ飛んだ妄言にはただただ驚かされるばかりだ。

 しかし、報ステの「反権力」は、相手が支那でも民主党でも容赦がない。放射能についても11年10月18日に三番目のニュースで「足立区の小学校で3・99μSv 敷地内に土を〝仮置き〟」と報じ、古舘が「政府が出してくる情報の開示の仕方とかが信用されていない。だからこの前の世田谷はラジウムでしたけどそれも市民・市民団体の告発。今回も区民の方の通報」と民主党政権の稚拙な対応を批判した。NEWS23との違いは明らかである。

(以下略)


開き直った古舘伊知郎

大竹しのぶ、蛭子能収、朝日新聞
反戦の耐えきれない軽さ

【メディア裏通信簿】

 教授 演技は個性派なんですけどねえ…。

 編集者 何のお話ですか?

 教授 いやね、女優の大竹しのぶさんが「安倍首相の戦争政策を真っ向批判」していたんだそうですよ。インターネットメディアのリテラで読んだのですが、これが戦争反対、憲法改正阻止という紋切り型の薄っぺらい左翼護憲論なんです。個性のカケラもないしね。共産党か何かの政治宣伝に使われる広告塔みたいですよ。

 先生 大竹しのぶは昔から、しんぶん赤旗に登場していたコテコテの左翼護憲派だからな。

女優の大竹しのぶさん女優の大竹しのぶさん
 女史 リテラは、元夫のお笑い芸人、明石家さんまさんの「俺は戦争のためとか、人殺しをアシストするために働いてるんじゃないって。そのために税金を納めてるんじゃないって言いにいったんです」という過去の反戦発言も載せてたね。

 先生 芸ではなく、政治談義でコテコテの反戦平和や護憲を語るお笑い芸人は結構いるけど、だいたい、いかに国の安全を守るのか、何も考えはないんだ。本人の意思なのか、テレビ局がしゃべらせてるのか知らないけどさ。あ、吉本の大物でもダウンタウンはちゃんとしてるか…。松本人志は政治を語るけど、単なる左翼と違って独自の視点もあるし。3月25日にフジテレビ系のダウンタウンなうで地方創生担当相の石破茂を「軍事オタク」「鉄道オタク」とイジっていたが、あれも面白かったよ。

 編集者 石破大臣にしてみれば、ダウンタウンにからかわれる、度量の大きさがあるところを見せたんでしょうけどね。

 先生 前にマスコミが反集団的自衛権で騒いでいた頃、漫画家タレントの蛭子能収も朝日新聞で反対論をぶってたよな。

 編集者 ええ、蛭子さんみたいな飄々としたタレントまで、朝日の政治キャンペーンにのせられていたのに驚いて、このメディア裏通信簿でも取り上げましたが。

 先生 3月14日のTBS系「私の何がイケないの?」で放送していたが、蛭子は1年前に軽度認知障害と診断されていたんだそうだ。今は回復に向かっているそうだけどな。無論、朝日は認知障害を知らなかったんだろうし、もしかしたら、蛭子も朝日にしゃべった時には症状もなかったのかもしれないが、それにしても朝日にいいように利用されていたよな。

 教授 あの時は、一時期、保守派論客として名をはせていた漫画家の小林よしのり氏まで反安保法制に走って、失望させられましたね。そういえば、小林氏はSAPIO5月号の連載漫画で、国連女子差別撤廃委員会が元慰安婦に日本政府は公式謝罪せよとイチャモンをつけた問題を「外圧だ」と非難していたのですが、皇位の男系継承を「女性差別」と文句を付けようと画策していたことは批判せず、むしろ賛同していました。矛盾しています。

 編集者 小林さんは以前から女系容認ですからねえ…。国連委員会問題をきっかけに、自分の間違いに気づけば良かったのに。

 先生 安保関連法が施行された翌日の3月29日の朝日朝刊はひどかったぜ。「専守防衛を転換」と大ウソ。自国を守るためやむを得ないときだけ、集団的自衛権行使の一部のみ認めたあの法律や閣議決定を、どこからどう読んだら、専守防衛の転換になるんだ。

 編集者 あの記事の巧妙なところは見出しで「専守防衛を転換」としておいて、本文を読むと「『専守防衛』の政策を大きく転換した」と書いてあるところだと思います。先生のような方に抗議されたら、「よく読んで下さい。専守防衛を転換してやめたなんて書いていないですよ。専守防衛は変わらないんですが、その政策のあり方を大きく変えた、と言っているだけです」と言い訳できるんです。

 教授 見出しと中身が違うんじゃ、往年の東スポと変わらないじゃないですか。

 先生 朝日は共産党幹部の「殺し、殺される危険」という言葉も何度も引っぱり出してきて、煽っていたが、自衛隊員が子供から「お父さんは、殺し殺されに行くの」と言われたら、どんな気持ちになるか考えたことあるのかね。

朝日、知性派のお株を奪われる


 教授 朝日とは月とスッポンで、読売新聞3月30日付朝刊の論点スペシャルはとても良かったですね。「解釈改憲」「立憲主義崩壊」などと言う安保法制批判に対して、憲法学の立場から京都大の大石眞教授と慶応大の山元一教授が「憲法解釈の変更は許されないという議論はありえない」「立憲主義は特定の政策に反対するために使う概念でもない」と冷静に反論していました。まとめの記事では元最高裁判事、藤田宙靖東北大名誉教授の「従来の法制度の『運用』で処理できる場合には、あえて法改正を求めるのではなく、従来の法規の『解釈・運用』によって済ませるという行政手法は、決して珍しくない。そのすべてを『違法』と決めつけることは、ほとんど不可能」という論文も引用して、反安保の憲法学者たちの意見を根底から覆していましたしね。

朝日新聞東京本社=東京都中央区朝日新聞東京本社=東京都中央区
 先生 あの記事は最近の安保法制関連で一番、知的だったよな。残念ながら産経新聞にもここまでのクオリティーはなかったな。

 編集者 産経新聞も同じことを主張してきたんですよ! 読売ほど知的な書き方はできなかったのかもしれませんが…。

 先生 (笑)本来ならこういう知的な記事は、朝日新聞の得意技だったんだぜ。ところが、今じゃ「専守防衛を転換」の大見出しだもんな。落ちたもんだぜ。

 教授 藤田名誉教授は読売の取材に「どの党が政権を持っていても通用するような法解釈の議論をしたかった」と述べていました。党利党略で解釈変更を批判した民主党などを暗に批判したのではないですか。

 先生 彼らは「安倍政権による解釈変更は許さない」なんて批判してきたけど、どの政権だろうが、許されるものは許されるし、ダメなものはダメなんだ。朝日は社説の見出しも卑怯だったぜ。

 《「違憲」の法制、正す議論を》

 違憲にカッコをつけてるのは、「僕が『違憲』と言っているんじゃありません。憲法専門家のミナサンが『違憲』と言っているんです」という意味だろ。威勢の良いことを言うフリをして、こっそり責任逃れをしているんだ。そもそも違憲ならば、法制は無効だ。「正す議論」なんか求めずに、堂々と「無効だ」と主張しろっての。

 教授 安保法制は世論調査でも、最近は評価する方が多くなってきました。多くの国民も、彼らの反対論がインチキだったと分かっているんです。

 女史 北朝鮮の核ミサイル開発や中国の南シナ海とか、色々あったし、国民も気づくよね。左翼は悔しいのか、最近、ネットでは北朝鮮のミサイルも「安倍政権の陰謀だ」なんて書かれてる。(笑)

 編集者 すごい妄想ですね。

(以下略)

失態が相次いだ安倍外交

日本を歴史問題で貶め続ける中韓の「戦勝国包囲網」に気をつけよ!

ケント・ギルバート(米カリフォルニア州弁護士)
小浜逸郎(批評家)

安倍外交の相次ぐ失態の原因


小浜 中共(中華人民共和国)が主張してきた「南京大虐殺30万人説」には確実な目撃証言もなく、写真資料などの証拠も偽造ばかりであることは、日本側の歴史研究者のあいだでは常識になりつつあります。ところが2015年10月10日、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、中共が申請した「南京大虐殺文書」の登録が認められてしまいました。

 さらに同年12月28日、日韓両政府はいわゆる慰安婦問題の最終解決に向けて合意したと発表しましたが、明らかに安倍外交の致命的失敗だと評価せざるをえません。「旧日本軍は20万人のセックス・スレイブ(性奴隷)を強制連行し、虐待した」という戦勝国による定説をオウンゴールで追認したことになるからです。

 外交・歴史問題で日本は中共や韓国にいいようにやられているわけですが、その原因はむしろ日本自身にある、というのが私の考えです。ケントさんが著書『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』や『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』(いずれもPHP研究所)で展開されているように、GHQ(連合国軍総司令部)のウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)によって、私たちは「日本が悪い国だった」という自虐史観を植え付けられた。安倍外交の相次ぐ失態の原因を突き詰めていくと、その背景にはこのWGIPがあります。ただ、ケントさんの著書にも書かれているとおり、GHQによる占領期間は7年間にすぎませんでした。

ケント そう、1945年8月から52年4月の7年弱。52年は私が生まれた年でもあります。

小浜 それからすでに60年余りが経っているにもかかわらず、WGIPの洗脳が解けていないのは、これこそ「日本が悪い」というほかありません。
 もう一つの問題は、日本人は外交・歴史問題を「対中共」「対韓国」など個別の二国間問題として捉えがちですが、よりグローバルな構図のなかで考えるべきだということです。アメリカをはじめ、イギリス、オーストラリアなど欧米圏には、戦勝国の大義を保つためにいつまでも日本をナチス・ドイツと同じような「悪の象徴」にしておきたい、という心理がある。中共や韓国はそうした戦勝国の心理に付け込んで日本に対する「戦勝国包囲網」をつくり上げ、外交戦で優位に立とうとしている。その意図の恐ろしさを日本人は認識すべきです。

ケント たしかに先の大戦の戦勝国のなかで、イギリスは戦前の日本に対する態度を引きずっているかもしれません。先の大戦の勃発がインドの独立を早めた部分もあるわけですから。

 一方、現在のアメリカは日本をよきパートナーだと考えています。私が子供のころに不思議だったのは、ニュース番組などで西側同盟国を「アメリカとヨーロッパ、日本」といっていたことです。アメリカとヨーロッパが一緒なのはわかる。でもなぜ、日本が入るのか。それでも、子供心に「とにかく一緒に冷戦を戦っている国なんだな……」と、漠然と感じていました。だから私は現在に至るまで、一度も「日本が悪い国だ」という感情をもったことがありません。いまのアメリカ人のほとんども「かつて日本とは激しく戦ったが、いまはトモダチだ」という意識だと思います。

小浜 ほとんどのアメリカ人がですか? 一般的なアメリカ国民がアジアの片隅にある日本に対して、ケントさんのように幅広く歴史的に深く考えているとは思えません。

ケント アメリカで世論調査をすると、いちばん人気がある国はやはり日本なんですよ。日本の漫画やアニメは大人気で、いまやポケモンを知らない子供はいない。私の故郷、ユタ州の州都であるソルトレイクシティでコスプレのコンベンション(見本市)をやったら、3日間で10万人も集まりました。アメリカ人は日本発の「変な文化」が大好きなんです(笑)。

小浜 反日教育を行なっているはずの中共や韓国の国民も、日本文化に憧れをもっているそうですね。でも、そういう文化現象と習近平や朴槿惠の対日政策は別です。同じように、いくらアメリカで日本の文化が人気だといっても、政治や外交、経済の分野でほんとうに日米がトモダチといえるのか。そう単純には言い切れない部分があると思いますが。たとえば、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。私は国会の承認が進まないことを強く望みます。

ケント 小浜さんはTPPに反対なんですか?

小浜 断固として反対です。

ケント 僕はいちおう賛成ですけどね。

小浜 TPPについて議論を始めると永遠に続きそうなので(笑)、要点を絞ります。TPPは自由貿易を名目にしながら、結局のところ強い国(つまりアメリカですね)が参加国の経済的主権を奪っていくような構図になると思います。ケントさんが、祖国であるアメリカの利益になるような条約に賛成なのはわかります。しかし、私たち日本人がそうしたアメリカの要求をやすやすと受け入れてしまうのは、従属国家の証しというか、自主独立の精神の欠如です。これこそ、まさにケントさんがおっしゃるWGIPの呪縛がいまだ続いていることの証左ではないでしょうか。

ケント 私の考えは異なります。1952年に日本がサンフランシスコ講和条約の発効で独立を回復した際、軍隊をもってはいけないことになった。日本の防衛はアメリカが担うから、日本は経済復興に専念してください、と。ところが当時は、アジアにまともな市場がありませんでした。そこで日本に対してアメリカの市場を開放することになった。しかしその後、日本は経済的に十分すぎるほど発展しました。もういい加減、特別措置はいらないのではないか。TPPそのものがよい協定かどうかは別にして、日米は対等な貿易体制が求められる時代になっています。経済面で相互関係を強め、さらに日本が憲法を改正することで、安全保障の面でもアメリカ任せではなく、自分で責任を負う国家となるべきです。

世界記憶遺産はナンセンス


小浜 安全保障に関するご意見には完全に同意します。しかし、アメリカがほんとうに日本の自立を望んでいるかとなると、私には疑問ですね。先の「南京大虐殺文書」という名の捏造資料がユネスコに登録されて喜ぶのは、中共や韓国だけでなく、じつは戦勝国であるアメリカも同じでしょう。もちろん同盟国としての関係も大事なので、そこには一種のダブルスタンダードがあるのではないでしょうか。ネガティブなほうのスタンダードに着目すると、東京大空襲や広島、長崎への原爆投下といった「アメリカの戦争犯罪」を隠すために、日本にはいつまでも悪い戦争を仕掛けた国でいてほしいわけです。

ケント しかし、それと同じことはアメリカに関してだけでなく、すべての戦勝国にいえるのではないですか。たとえば、ロシア(旧ソ連)はシベリアで日本人捕虜に対して行なった非人間的な行為を長く謝罪しなかった。

小浜 「シベリア抑留資料」については日本が申請して登録が認められましたが、すぐにロシアが文句をつけてきましたね。シベリア抑留は紛れもない事実で

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