自民…57議席単独過半数狙う
民進…勝敗ライン示さず
社民…1議席危うし
政府・与党が「6月22日公示、7月10日投開票」の日程で最終調整に入った参院選。各党の候補者擁立作業は最終段階に入り、6月1日の国会閉幕後は事実上、選挙戦がスタートする。自民、公明両党は過半数を維持し、改憲勢力とともに憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を獲得できるのか。民進党や共産党など野党は「統一候補」擁立で反転攻勢の足掛かりを築けるのか。与野党各党の選挙戦略を追った。
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≪自民≫57議席で単独過半数
27年ぶりの単独過半数に必要な57議席確保に向け全力を挙げる。麻生太郎副総理兼財務相は19日の麻生派の会合で「経済政策の安定性を維持するために参院選で単独過半数を取らなければならない」と強調した。
46人を公認した選挙区で重視しているのは、勝敗を左右する改選1人区だ。参院選の前哨戦と位置づけられていた4月の衆院北海道5区補欠選挙では、公明党などから支援を受けた自民党公認候補が辛くも勝利したものの、民進党や共産党などの「野党統一候補」に猛追を受けた。
参院選でも野党が擁立する統一候補とは32の1人区のほぼ全てで一騎打ちの構図が固まっており、茂木敏充選対委員長は18日の党会合で「ここで勝ちきれるかどうかで、参院選の勝敗が決まってくる」と述べ、力を入れる。
公明党と競合しない北海道(改選数3)、千葉(同3)の複数区では2人を擁立。東京(同6)も2人目の候補擁立を急ぐ。
一方、比例代表は政権復帰の勢いを維持して18議席を獲得した前回平成25年参院選の再現を狙い、24人を擁立。業界団体もフル稼働させ票の積み上げを図る。
22年参院選から候補擁立を見合わせていた全国土地改良政治連盟の組織内候補として、元農林水産省課長を公認。ダンスボーカルグループ「SPEED」メンバーで歌手の今井絵理子氏は知名度の高さを生かして若者や無党派層に売り込み、比例票の掘り起こしも狙う。
≪民進≫勝敗ライン言及せず
岡田克也代表は参院選で結果を残せば「引き続き代表として政権交代を目指す」と語る。戦果は9月に岡田氏の任期満了を迎える代表選の情勢も左右する。ただ、岡田氏ら幹部は勝敗ラインに関する言及を避けている。「及第点」の基準を前回の平成25年参院選とするか、今回の改選組が選出された22年とするかで大きく変わるからだ。
25年の旧民主党は過去最低の17議席で、当時の細野豪志幹事長は引責辞任したが、海江田万里代表は続投した。菅直人政権だった22年は44議席。勝敗ラインとされた「改選54議席+α」に達しなかったが、菅氏はその後、1年以上居座り続けた。
25年の17を勝敗ラインと位置づけるのは、さすがに厳しい。改選を迎える民進党議員は43人(統一会派の無所属議員含め47人)で、改選議席を半数以上割り込んでも代表を続投するのは「岡田氏の性格からして考えにくい」(参院ベテラン)からだ。
状況を複雑にしているのが「野党統一候補」の扱いだ。30の1人区で事実上、一本化に合意したが、民進党公認は13人にとどまる。無所属の統一候補が当選しても民進党の議席に算入できない。ただ、岡田氏は「改憲勢力3分の2以上の阻止」を公言しており、他党や統一候補で計50議席程度を得ることを目標とすれば、民進党の勝敗ラインは下がる。
支持団体の連合の組織内候補は比例代表12人。過去最多と強気だが、組織率低下が進む中で成果を挙げられるかは見通せていない。
≪民進≫勝敗ライン言及せず
岡田克也代表は参院選で結果を残せば「引き続き代表として政権交代を目指す」と語る。戦果は9月に岡田氏の任期満了を迎える代表選の情勢も左右する。ただ、岡田氏ら幹部は勝敗ラインに関する言及を避けている。「及第点」の基準を前回の平成25年参院選とするか、今回の改選組が選出された22年とするかで大きく変わるからだ。
25年の旧民主党は過去最低の17議席で、当時の細野豪志幹事長は引責辞任したが、海江田万里代表は続投した。菅直人政権だった22年は44議席。勝敗ラインとされた「改選54議席+α」に達しなかったが、菅氏はその後、1年以上居座り続けた。
25年の17を勝敗ラインと位置づけるのは、さすがに厳しい。改選を迎える民進党議員は43人(統一会派の無所属議員含め47人)で、改選議席を半数以上割り込んでも代表を続投するのは「岡田氏の性格からして考えにくい」(参院ベテラン)からだ。
状況を複雑にしているのが「野党統一候補」の扱いだ。30の1人区で事実上、一本化に合意したが、民進党公認は13人にとどまる。無所属の統一候補が当選しても民進党の議席に算入できない。ただ、岡田氏は「改憲勢力3分の2以上の阻止」を公言しており、他党や統一候補で計50議席程度を得ることを目標とすれば、民進党の勝敗ラインは下がる。
支持団体の連合の組織内候補は比例代表12人。過去最多と強気だが、組織率低下が進む中で成果を挙げられるかは見通せていない。
≪公明≫
選挙区で過去最多の7人、比例代表で6人を擁立した。兵庫と福岡は24年ぶり、愛知は9年ぶりだ。中でも兵庫は最重点区で、埼玉と神奈川も加えた5選挙区で自民党から推薦を取り付けた。比例代表は10人以上を擁立したい考えで、新進党解党を経て再結成した平成10年以降に最多だった13年参院選と並ぶ13議席以上を狙う。
衆参両院で与野党の議席数が逆転する「ねじれ」を招いた過去の参院選を教訓に、今回の選挙を「日本の運命の分かれ道」(山口那津男代表)と訴え、与党としての過半数維持は最低限のラインと位置付ける。井上義久幹事長も「政治の安定の下で政策を継続する」と意気込む。
重点政策には、若者・女性の働き方改革も盛り込み、働く女性のほか、選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げも見据えて若者への浸透も目指す。
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≪共産≫
野党共闘を率先して呼び掛け、原則として全選挙区に候補を擁立してきたこれまでの方針を転換した。特に32の1人区では発表済みだった候補予定者を次々と取り下げ、野党候補の一本化に貢献した。
香川選挙区では党公認候補への一本化を民進党に強く働き掛けた結果、同党が推薦を決めていた無所属の県議が出馬を取り下げた。志位和夫委員長は「相互支援で野党共闘が力を発揮する」と意気込む。
平成25年の参院選は東京で12年ぶり、大阪と京都で15年ぶりに議席を獲得するなど、改選数2以上の選挙区での躍進も目立った。今回も勢いの持続を図る。
比例代表は昨年1月に早々と過去最高の「850万票以上」を目標に設定。比例で5議席を得た25年の参院選後の26年衆院選でも公示前勢力の8議席から21議席に伸ばしており、今回は比例で8議席以上を目指す。
≪おおさか維新≫
4月の衆院京都3区補選を除くと今回が国政選挙初挑戦となる。改選3議席以上の獲得が最重要課題。橋下徹前代表とともに大阪府・市で行った行財政改革などを国政でも断行する姿勢を前面にアピールし、党勢拡大を目指す。
馬場伸幸幹事長は「大阪の改革をありとあらゆる手法で訴えていく。一人でも多く当選させたい」と意気込む。だが、橋下氏引退後の存在感低下は避けられていない。旧みんなの党代表の渡辺喜美氏や旧民主党出身者らも公認候補に取り込む苦肉の策で、自公でも民共でもない「第三極」としての生き残りを図る。
選挙区は大阪など7選挙区で候補を擁立し、さらに数人増やす考え。特に大阪(改選数4)は本拠地だけに、公募で2人目擁立を目指す。比例代表は渡辺氏ら17人を公認している。大阪色が強い党名が全国に浸透するかがカギとなる。
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≪社民≫
いずれも比例代表で改選の吉田忠智党首と福島瑞穂副党首の2議席を死守するため、比例票250万票の獲得を目指す。だが党勢低迷から抜け出せず、1議席確保さえ危ぶまれている。
国会議員は現在5人(衆院2人、参院3人)。今回の参院選で政党要件の「国会議員5人以上」を欠いても、平成25年参院選で得票率2%以上を達成しており政党要件は失わない。しかし、吉田氏の民進党との合流発言の余波がある上、他党との統一名簿方式も頓挫。前身の社会党結党から約70年の歴史を誇る護憲政党は瀬戸際に立っている。
≪生活≫
参院選は文字通り党存続をかけた戦いとなる。国会議員は現在5人(衆院2人、参院3人)だが、前回の平成25年参院選は政党要件の一つである「得票率2%以上」に届かなかった上、議席はゼロだった。
今回も得票率2%以上か「国会議員5人以上」をクリアできなければ「政党」から陥落し、政党交付金を受け取れない事態になる。
改選組2人のうち、岩手選挙区の主浜了副代表は家族の介護を理由に引退。後継の元県議は無所属の「野党統一候補」となり、生活の選挙区の公認候補はゼロになる可能性が高い。
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≪日本のこころ≫
改選議員はおらず、これまでに愛知、広島、福岡の各選挙区に1人ずつ、比例代表には元衆院議員ら5人の計8人を公認した。今後も東京や千葉、埼玉など複数区での擁立を模索しており、大都市圏での票の掘り起こしで比例代表300万票の獲得を目指す。
中山恭子代表は3月の党大会で「小さな政党だが、日本にとってなくてはならない党だと多くの人に知ってもらい、参院選に向け、全てをかけて戦っていきたい」と決意を表明。ただ、昨年12月に「次世代の党」から変更した党名の浸透が課題だ。
≪改革≫
唯一の現職、荒井広幸代表の議席死守が最重要課題。政党要件を満たす得票率2%を超える比例票117万票を獲得した平成22年参院選並みの得票が目標。
東京選挙区で女優の高樹沙耶氏を公認し、比例代表では荒井氏のほか元職の1人と新人4人を公認した。今月10日には東京都内で荒井氏と高樹氏がそろって街頭演説を実施。女優としての知名度を生かして高樹氏の当選を目指すとともに、比例票の底上げを狙う。
荒井氏は安倍晋三首相と近いことから、水面下での政権側からの“助け舟”にも期待がかかる。
参院選、比例投票先「自民」42%…読売調査
2016年05月16日 08時51分
読売新聞社の全国世論調査(13~15日)で、今夏の参院比例選の投票先を聞くと、自民党が42%で最も多く、前回(4月1~3日)の39%からやや上昇した。
民進党は11%(前回11%)と横ばい。これに公明党とおおさか維新の会の各5%、共産党の3%などが続いた。
参院選で最も重視したい政策や争点は「年金など社会保障」の32%、「景気や雇
用」の30%、「子育て支援」の13%などの順に多かった。30歳代では「子育て支援」が最多の37%に上るなど、年代で意識の違いが表れた。
参院選で投票に「必ず行く」は56%、「なるべく行くつもり」が35%などだった。「必ず行く」と答えた人の割合は、若い年代ほど低く、参院選から選挙権を得る見通しの18、19歳を含む18~29歳では29%にとどまった。
衆参同日選を「行ってもよい」との回答は42%(前回46%)に下がり、「行わない方がよい」の44%(前回38%)と賛否が逆転した。
【世論調査】民進党の政党支持率がヤバすぎるww次期参院選も自民党の圧勝確実!【2016年3月27日】
投票したい政党:自民44%、民進は15% 参院選投票先(青木理)