【衝撃事件の核心】
「裸の女性にベッドに押し倒された」
舞鶴事件無罪・中被告のトンデモ供述
司法一蹴、長期刑で断罪
「無言のまま相手が突然服を脱ぎ、裸になった」「ベッドに押し倒された」-。襲われたからやむを得ず反撃した、と正当防衛を主張したのは、か弱き女性ではない。平成20年5月に京都府舞鶴市で起きた女子高生殺害事件で逮捕、起訴され、後に無罪が確定した中勝美被告(67)だ。雇用主だった女性に対する殺人未遂や強制わいせつ致傷などの罪に問われ、2~3月に大阪地裁で開かれた裁判員裁判で声高に無罪を訴えた。ナイフでめった刺しにされたという被害女性の証言とは180度食い違う内容だったが、判決は「不自然かつ不合理」と一蹴して有罪を認定し、懲役16年(求刑懲役25年)を言い渡した。いくら聞いても「?」しか浮かばなかった法廷での珍妙な言い分を振り返る。
●「お前が好きや、服を脱げ」
平成26年11月5日午前8時ごろ、大阪市北区兎我野町。大阪・キタの繁華街の中でもラブホテルや風俗店が集中する猥雑(わいざつ)な地区だ。とある雑居ビルの前に中被告の姿があった。
ビルの2階はホテルの客室になっている。従業員として、中被告が数日前まで働いていた場所だ。雇用主だった女性(39)はその一室に泊まっていた。
ここから後の場面は、検察、弁護側双方の主張が対立している。まずは判決で「信用できる」と認定された被害女性の証言ベースで事件の顛末(てんまつ)を見ていく。
女性は廊下の足音で目を覚ました。顔見知りのスタッフかと思い、部屋のドアをわずかに開けた。その瞬間、強い力でドアが押し開けられ、男が侵入してきた。中被告だった。
「金庫を開けろ。俺の名前と住所を書いたものを出せ」
マスクに帽子、軍手をはめた右手には果物ナイフが握られていた。
「どうしたの?」
「うるさい! ごちゃごちゃ言うな、静かにしろ。はよせえ!」
女性が従わない素振りを見せると、中被告は思いきり女性の頬を平手打ちした。そして後ろから抱きついた。
「お前が好きや」
そう言って無理やりキスをし、胸をもんだ。さらにナイフを首元に突きつけ、こうすごんだ。
「服を脱げ。脱がないと殺すぞ」
女性が拒否するや、中被告はいきなり、女性の首にナイフを振り下ろした。女性は殺されると思い、ポロシャツのすそに手をかけた。すると中被告はシャツを無理やりめくりあげ、上半身裸の状態にして、軍手をはめた手で女性の胸をもんだ。さらにキスをした。しかしその後はひたすら、女性の身体にナイフを突き立てた。
●血だらけで脱出
女性もいったんはナイフを奪い、中被告に馬乗りになって電話の子機で殴るなど応戦した。しかし、中被告はすぐにナイフを取り返すと、女性の右頬を横から突き刺した。ナイフは頬を貫通し舌をも切り裂いた。
しかし、女性はここでひるむどころか「痛くて、すごい腹が立った」ため、口の中にたまった大量の血を中被告の顔に向けて吐き出したという。そして一瞬の隙をついて部屋を飛び出した。
「警察! 警察!」
血だらけで叫び、廊下を挟んで向かいのヘルス店に駆け込んだ。驚いた店員の顔が見えた。中被告はナイフを持って追いかけてきたが、もう何もしなかった。女性は冷静になると、急に裸でいることが恥ずかしくなったという。ふらふらと自室に戻ると、床に倒れて意識を失った。
まもなく、店員の110番を受けた大阪府警の警察官が現場に駆けつけた。中被告は女性の部屋に閉じこもったが、警察官に「出てきなさい」と説得され、ドアの鍵を開けた。中被告は殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。
●「女性を逮捕すべき」
奇跡的に一命を取り留めた女性の身体には、顔や首、胸や背中など十数カ所の刺し傷があった。深さ約10センチに及ぶ傷や、あと2ミリずれていたら頸動脈を損傷していたものもあった。
一方の中被告には両手の指に切り傷が、顔には殴られたような痕と、小さな傷があったという。
どちらが激しい攻撃を受けたかは一目瞭然だが、中被告や弁護人は女性の話を真っ向から否定し、驚くべき主張を展開した。中被告の言い分はこうだ。
事件当日の朝、中被告は女性の部屋を訪ね、「未払い分の給料と身分証明書のコピーを返してほしい」と懇願した。だが女性はいいとも嫌とも言わず、無言のまま突然服を脱いで上半身裸になった。さらに棚に置いてあったナイフを手に取ると、中被告の腹をいきなり刺そうとした-。
両手を前に出して攻撃を防ごうとしたが、女性はナイフを振り回し、中被告の指を切った。さらには中被告をベッドに押し倒し、電話の子機で100回くらい殴ったという。
「助けて! やめてくれ!」
中被告はそう叫びながら必死に抵抗。ナイフを奪うと、自分の身を守るために女性を刺した。刺されながらも女性は中被告への攻撃をやめなかったが、30分ほど経ったところで不意に部屋を出ていったという。
女性がなぜ自発的に服を脱ぎ、なぜいきなり襲撃してきたかは判然としないが、中被告は被告人質問で「自分の方が傷を負って顔全体から出血していた」と訴え、「女性を殺人未遂で逮捕すべきだ」ともうそぶいた。
●出所者を「スカウト」
実は女性と中被告との出会いは、「普通」ではなかった。女性は意外な手法で中被告をスカウトしていたのだ。
「仕事をしませんか」
事件のおよそ1カ月前、女性はJR堺市駅(堺市)のホームで中被告に声をかけた。誰なのかを知っていたわけではない。女性は近くにある大阪刑務所の出所者を探していたのだ。見た目で、中被告がそれだと分かった。
女性は従業員不足に悩み、「刑務所を出てきた人なら仕事がないから無条件で働いてくれる」と、風俗店のキャッチをしていた知人からアドバイスをもらったのだという。
一方の中被告はこの日、25年に起こした窃盗事件での服役を終え、出所したところだった。行く当てもなく、更生保護施設を頼ろうと堺市駅で電車を待っていた。
「どうせ仕事も住むとこも決まってへんし」
誘われるまま、女性が経営するホテルへ。女性は中被告に住む場所と食事を提供するという条件付きで、月給6万円で働くことを提案。了承を得たという。
●いさかい絶えず…すぐにクビ
女性の証言では、中被告は客を部屋に案内したり、電話対応をしたりといった簡単な仕事もできず、そのうえ客と何度もトラブルを起こした。女性は2日後には「もう休んでください」と事実上のクビを言い渡したが、中被告は「ボランティア(無償)で働く。たまにおいしい食事を食べさせてくれればいいから」と食い下がった。
女性は渋々承諾したが、その後も客とのいさかいが絶えず、10月10日、今度ははっきりと「辞めてください」と告げた。それでもまだ中被告は小遣いをせびりに来たり、洗濯機を使わせてほしいと頼みに来たりした。
中被告が勤務したといえるのは数日程度だ。女性はこの分の給料を支払っていないが、「食事を提供し、生活支援もした」と釈明した。
●被害女性、悪夢にうなされる日々
「服役して反省したことはないのですか」
出所後まもなくの事件だったため、被告人質問で裁判官がただした。中被告は少し考え、こう答えた。
「(刑務所に)入っとってつらいなと思って。苦しいさかい、もう二度としないように考えていました」
一方、検察側は論告で「平然と嘘をつく無反省の態度」と指弾。同様の犯行を繰り返す可能性が高いとして、この種の殺人未遂事件としては異例の懲役25年を求刑した。
3月4日、大阪地裁の長瀬敬昭裁判長は判決で「被告の供述は不自然、不合理で信用できない」と指摘。被害者が一命を取り留めたことなどを考慮し、懲役16年を言い渡した。動機については「性欲を満たす目的だった」と認定した。
女性は現在、右頬にまざまざと残る傷跡に苦しみ、ナイフで刺される悪夢にうなされる日々を送っているという。傷ついた舌のせいで、しゃべることや食べることにも不自由し、神経を切断された2本の指はまひしたままだ。
女性は証人尋問で、強い処罰感情を語っていた。
「中被告には刑務所の中で死んでほしい。出所したら、またこんな被害が起きる」
【在日】中勝美容疑者殺人未遂で逮捕(舞鶴女子高生殺害で無罪判決されたばかり)
中勝美容疑者の前科が凄すぎる 舞鶴に続き大阪でもか!!
未解決事件にも関与?!舞鶴事件・中勝美容疑者の前科と犯歴
matome.naver.jp/odai/2135316453430633401
www35.atwiki.jp/kolia/pages/68.html
mikosuma.com/mikosuma/sono08/