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なかなか絶滅しないガラケー…首位パナが次々新機能、スマホより優位に立つ?

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産経WEST

なかなか絶滅しないガラケー
首位パナが次々新機能
スマホより優位に立つ?

【ビジネスの裏側】

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 急速に普及するスマートフォンの影で、「ガラパゴスケータイ(ガラケー)」と呼ばれる従来型の携帯電話の出荷台数も堅調に推移していることはあまり知られていない。法人や高齢者の底堅い需要に加え、電池持ちを含めた使い勝手の良さやスマホの約半額という維持費の安さにひかれ、いったんはスマホに流れたものの、ガラケーに戻ってくる“出戻り需要”も市場を下支えしている。パナソニックなどは新機能を搭載した機種の投入や新サービスを始め、ガラケーの需要掘り起こしを進めている。(橋本亮)
 市場規模は高水準
 「減少したとはいえ、従来型の携帯電話の出荷台数は依然として、高い水準の市場規模を誇っている」
 国内ガラケー市場でトップシェアを確保するパナソニックの担当者は、足元の市場動向をこう解説する。
 一時期より勢いこそ衰えたとはいえ、平成26年度のガラケーの出荷台数は1040万台で、パソコン(919万台)やデジタルカメラ(578万台)、薄型テレビ(545万台)を上回る規模を維持しているのだ。
 スマホの急速な普及に伴い、ガラケーの出荷台数は減少の一途をたどった。調査会社のMM総研の調べによると、平成20年には携帯電話の国内総出荷台数のうち、90%以上をガラケーが占めていたが、米アップルのiPhone(アイフォーン)の登場などもあり、一気にスマホが普及。23年にはガラケーの構成比が40%程度にまで落ち込んだ。
 ここ数年はスマホへの買い替え需要が一巡し、ガラケーの出荷台数は横ばいで推移しており、構成比は30%程度で落ち着いている。パナソニックも年間200万台強を出荷。「まだまだ成長の余地は大きい」と同社の担当者は力を込める。
 料金はスマホの半額
 出荷台数とは別に、契約数でみると、いまだに5千万人超がガラケーを利用している。構成比では40%程度で、10人に4人がガラケーの利用者という状況だ。
 スマホと比較してガラケーが優位に立つ点として、端末の頑丈さや電池持ちを含めた使い勝手の良さがあげられるが、最も大きいものは維持費の安さだ。MM総研の調査では、スマホの月額平均利用料金が6283円なのに対し、ガラケーは3260円で、2倍程度の開きがある。端末価格も余計な機能をそぎ落とすことにより、安く抑えているのも売りとなっている。
 総務省の有識者会議が昨年末、NTTドコモなど携帯電話会社に対し、データ通信の使用が少ない人向けにスマホの利用料金を月額5千円以下に引き下げるように求める提言をまとめたが、それでもガラケーの利用料金の安さは魅力的だ。
 スマホとガラケー、タブレット端末とガラケーを持つ「2台持ち」や法人向けの需要が市場を下支えしている。それらに加え、「いったんはスマホを使ってみたが、機能を使い切れなかったり、慣れ親しんだガラケーの方がよいと戻ってくる需要も増えている」(パナソニックの担当者)ことも、ガラケーが“絶滅”しない要因となっている。
 機能・サービス充実
 スマホほどではないが、ガラケーもカメラの画素数を高めたり、無線通信規格に対応するなどの機能充実も進んでおり、新サービスの提供も始まっている。
 パナソニックが昨年11月から、NTTドコモ向けに提供する「P-01H」は登録したあて先に歩数計のデータや電池残量、端末を開いた回数などをメールで知らせる同社独自の「みまもりメール」を使えるようにした。例えば、離れた場所に済む家族や一人で暮らす両親の様子をガラケーの利用状況を通じて知ることができる。わざわざ携帯電話会社に申し込みをしなくても、端末の設定だけで利用が可能で、料金も月額100円程度で済むという。
 京セラやシャープのガラケーはスマホで人気の無料対話アプリ「LINE」に対応し、“ガラホ”として注目を集めている。多くのガラケーは高齢者向けに文字を拡大して見やすくする機能を搭載するなど、使い勝手に磨きをかけている。
 とはいえ、多機能を売りにするスマホとは異なり、操作の容易さが重視されるガラケーでは機能の拡張にも限界があるため、各社の独自性が打ち出しにくい。
 「法人、個人ともに同じ会社のガラケーを使い続ける傾向があり、シェアを伸ばすのが難しい」(業界関係者)という事情もある。
 もちろん、各社もただ手をこまねいているわけではない。パナソニックはみまもりサービスを一人暮らしの高齢者らの安否確認に利用してもらうと、自治体などに売り込みをかける。
 何とか生き残ったガラケーはいま、独自の“進化”の方向性を模索している。
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