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安倍政権が発射準備中の「ダブルバズーカ」~消費増税スキップとさらなる奥の手 ダブル選はこれで圧勝!?

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安倍政権が発射準備中の「ダブルバズーカ」
消費増税スキップとさらなる奥の手
ダブル選はこれで圧勝!?


ピンチをさらなるピンチに変える民主党
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 まもなく合併する民主党、維新の党のホームページ上に「党名案を募集します」と書かれている。3月2日、新党協議会「党名検討チーム」が初会合を開き、民主党の赤松広隆最高顧問、福山哲郎幹事長代理、維新の党の江田憲司前代表、柿沢未途前幹事長が話し合ったが、折り合いはつかず、党名を公募することになった。募集期間4日(金)~6日(日)とされた。

 この党名公募は、ネット上ではバカにされまくっている。「党名すら決められないのか」と、ネット上では両党を揶揄するための面白い党名をアップする、いわゆる「大喜利」状態である。「党名検討チーム」がまとめられないので、公募という時間稼ぎをしたのだが、決められないと印象づけてしまった。8日に予定されていた新しい党名と綱領の中間とりまとめは遅れるかもしれない。

 民主党と合流する維新の党の大半、例えば松野頼久代表らは民主党離党組の「出戻り」である。彼らが民主党を離党することになったのは、基本的には民主党内での消費増税議論がきっかけだった。

 民主党と維新の党の新党は、他の野党にも参加を打診しているが、小沢一郎氏は排除される見通しだ。というのは、3日の連合の春闘集会で、民主党の野田佳彦前首相が「一番足を引っ張った元代表さえ来なければ、あとは全部のみ込もうと思っている」といい、小沢氏の参加に反対したからだ。

 これは、正確にいえば、野田政権がマニフェストに書かれていなかった消費増税を強行しようとした時、小沢氏が反対して党を割って出て行ったことを指して、野田氏は「一番足を引っ張った」といっているわけだ。

 この野田氏のロジックが民主党内で主流となっているのであれば、民主党はどのように党名を変更しても、消費増税に対してまともなロジックを構築できない。実際、民主党幹部からは、野田氏が同時に主張していた「議員定数大幅削減」がなければ、消費増税を認められないという話が聞こえてくる。

 一方、安倍政権のほうが、明快なロジックである。安倍首相は、表向き消費増税は予定通り進めるというが、菅官房長官は「税収が下がるくらいなら消費増税しない」といっている(もっとも、この発言は、従来から安倍首相が言っている「増税しても、景気が悪くなったら元も子もない」と同じ意味である)。

 このため、消費増税延期が徐々に既定路線化している。最近、テレビのコメンテーターで消費増税延期を言い出す人が出てきたが、本コラムの読者からみれば、「遅行指標」の典型例のはずだ。いずれにしても、菅官房長官のほうが民主党と比べればはるかに明快である。

着々と打たれる解散への布石
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 民主党は、新党名を決められないうえ、経済ロジックもグダグダであることが国民の目にはっきりわかってしまった。雇用政策としても、本コラム読者であれば、安倍政権のほうが遙かにまともであることがわかるだろう。松尾匡・立命館大教授のような左派経済学者でさえも、この点を認めている。

 民主党の最も弱いところは、経済政策である。たとえ民維が合併して大きくなったとしても、安倍政権はこの点をついてくるだろう。

 そのための布石は着々と打たれつつある。先週の本コラム(「日本のGDPを引き上げ、アベノミクスを「合格点」へと導く効果的な一手をここに示そう」 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48049)では、2月27日に閉幕したG20(20ヵ国財務大臣・中央銀行総裁会議)で「財政政策、金融政策の一体発動」が打ち出され、その延長線上に、G7伊勢志摩サミットがあることを紹介した。

 先週、その路線をさらにはっきりさせることが国会で明らかにされた。安倍首相は伊勢志摩サミットに向け、世界経済の現状とリスクを分析する有識者会議の設置を表明したのだ。

 アメリカの経済学者・スティグリッツ氏の参加も検討されていると報じられており、前回の増税延期前にクルーグマン氏が官邸を訪れたことと重なる。安倍首相の消費増税についての言い回しが微妙に変化していることや、菅官房長の「税収が下がるくらいなら消費増税しない」発言から、この有識者会議について、増税延期とダブル選挙へのお膳立てとの観測も出ている。

 この有識者会議は、中国経済の減速や原油価格の低下、金融市場の混乱などをテーマに、今月中頃からサミットまでに5回程度開催される予定だ。これが注目されるのは、これまで消費増税の決定の前は、内閣府・財務省主導による経済財政諮問会議の「点検会合」が開かれており、今回の有識者会合がその点検会合と重なるからだ。

 2014年4月からの5%から8%への消費増税では、2013年8月26日から30日まで点検会合が開かれている。そこでは、有識者・専門家60名が参加し、消費増税すべきが7割超、予定変更すべきが1割超との意見が出され、結果として消費増税が実行された。

 しかし、消費増税後に景気が腰折れし、点検会合で出された意見の多くは間違いだったことがはっきりした。2014年1月に公表された内閣府の中期財政試算では、消費増税しても景気は落ち込まないと試算していたが、実際には、大きく落ち込んだ。それを示すのが次の図だ。

 安倍首相はこの事実を重く受け止め、点検会合に不信感をもったのではないか

消費増税すれば、政府目標は崩れさる
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 2015年10月からの8から10%への消費再増税については、やはり経済財政諮問会議の点検会合が2014年11月4日から18日まで開かれている。

 ここで、注目すべきは、安倍首相はAPEC首脳会議、ASEAN関連首脳会議及びG20首脳会合出席のために、11月9から17日まで外遊していることだ。この外遊期間をつかって、海外から与党要人に個別に電話をかけて衆院解散を伝えたようだ。要するに、経済財政諮問会議の点検会合による10%への消費再増税ありきの議論を、まったく受け入れるつもりがなかったのだ。

 そして、今回も内閣府・財務省主導による各種会議のことはそれほど信用しないだろう。今年1月に公表された内閣府の中期財政試算では、2017年4月からの8%から10%への消費再増税について、前と同じように「消費増税でも、景気は悪くならない」と試算している。

 ところが、前回2014年と同じように見通しを誤ると仮定してみると、消費増税した場合には名目GDPは大きく低下するだろう。その場合、2020年度の名目GDPは570兆円弱にしかならず、政府目標600兆円にはとどかない。

 一方、消費増税をスキップした場合にはどうなるのか。内閣府が試算する経済成長率が維持できれば、名目GDPは順調に増加して、2020年度には政府目標の600兆円に達する。それを示すのが下図である。
消費増税スキップは当然
 消費増税を行った場合のプライマリーバランスは、内閣府の中期試算より酷くなり、2020年度でもGDP比で11%程度である。一方、消費増税をスキップすれば、2020年度のプライマリーバランスはほぼゼロになる(下図)。

 
いずれにしても、この試算によって、安倍首相のいう「増税しても、景気が悪くなったら元も子もない」や菅官房長官の「税収が下がるくらいなら消費増税しない」は、かなりまっとうな話であることが確認できる。

 伊勢志摩サミットにおいて、世界経済の安定・上昇ためには財政政策と金融政策の同時発動が必要、ということが議論されるはずだが、そうであれば、消費増税スキップは当然であろう。

 財政政策としては、消費増税スキップだけではなく、財政出動もあると筆者は思っている。先週の本コラムでも言及した「財投債」は、プライマリーバランスを悪化させずに、今のマイナス金利環境を生かす政策でもある。さらに、本コラムでかねてより指摘してきた外為特会や労働保険特会の埋蔵金である。

 埋蔵金や財投債を財源とすれば、30兆円程度の財政出動が可能である。埋蔵金は減税・給付金系の政策、財投債は公共事業系の政策とすれば、バランスのとれた財政出動が可能になる。マクロ経済の観点から、財政政策は有効需要を作るが、減税・給付金は短期的な有効需要を作りやすい。一方公共事業は、供給制約から短期的な有効需要を作りにくいが、長期的な計画で安定的に有効需要が作れる。

 いずれにしても、30兆円程度の財源を、プライマリーバランスの悪化なしで用意できるのだから、これらを利用しない手はない。

ダブルバズーカ、発射
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 消費増税スキップによって有効需要を減少させずに、埋蔵金・財投債による財政出動によって有効需要をかさ上げする財政政策をとれば、景気がよくなるのは明らかだろう。
 しかも、これらの政策手段を可能にしているのが、アベノミクスの成果である。外為特会や労働保険特会の埋蔵金、財投債を可能にするマイナス金利環境はすべてアベノミクスの果実である。その果実をさらに政策に投入することによって、さらなる成長が可能となる。

 5月26、27日伊勢志摩サミット、6月1日国会会期末という政治日程を考えると、次の戦略が浮き彫りになる。

 まず、有識者会議で「世界経済の安定のためには緊縮財政からの脱却が必要」との方針を打ち出し、サミットで世界の首脳がその方針を確認し、そうした外交成果も踏まえて国会で報告し、国会会期末までに衆院解散だ。解散から40日以内に総選挙を行うという憲法54条があるので、7月10日が衆参ダブル選挙になる。

 もちろん、解散総選挙は総理の専権事項なので、安倍首相以外は誰にもわからないが、多くの政治家は、ますますこのスケジュールを意識せざるを得ないだろう。ダブル選挙の争点は経済になるだろう。ダブル選挙には、消費増税スキップと埋蔵金・財投債による大型財政出動というダブルバズーカが発射されるのではないか。

 〔付記〕本コラムをまとめた新著『数字・データ・統計的に正しい日本の針路』が発売された。過去の予測はそれほど外れていないと思う。これからの未来を見るために、参考にしていただければ幸いである。
高橋 洋一


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「衆院解散」のXデーは5月27日!~クルーグマンを緊急招集すれば、それがサインだ



クルーグマン招集が「合図」

安倍晋三首相が5月26~27日開催の主要7ヵ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で、日本が主導して世界経済の安定策を話し合うため、国内外の有識者から話を聞く協議会(仮称、「国際金融経済分析会合」)を立ち上げることを決めたと、『日本経済新聞』(3月1日付夕刊)が他紙に先駆けて報じた。
同会合のメンバーは、安倍首相、麻生太郎副総理・財務相、菅義偉官房長官、石原伸晃経済再生相、林幹雄経済産業相、黒田東彦日本銀行総裁、本田悦郎、浜田宏一両内閣官房参与らの他、「ノーベル経済賞受賞者ら海外の著名な学者らに参加を呼びかけている」(同紙報道)という。
この構想をお膳立てしたのは経済産業省(菅原郁郎事務次官)。同省関係者によると、明らかになった3月1日から相当遡る1月下旬頃から準備が進められており、「海外の著名な学者ら」何人かへのメンバー就任打診を行っていた。
それぞれの専門領域で「国際的に権威ある学者」(同関係者)の中ですでに内諾を受けた学者と、現在打診中の学者は総勢10人程度である。第1回目会合は今月下旬に開催され、5月までに5、6回開く予定である。そしてその中には、ほぼ間違いなくプリンストン大学のポール・クル-グマン教授が含まれている。
英国の名門、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授も兼任するクルーグマン教授は、2008年のノーベル経済学賞受賞者である。担当する米ニューヨーク・タイムズ紙のコラムは、『朝日新聞』に転載されているので、読んでいる読者も多いはずだ。
何よりも、安倍首相との関係が重要である。
2014年11月4日、消費税率10%への引き上げの是非について有識者に意見を聞く「景気点検会合」(通称、「有識者会合」。各界の有識者45人がメンバー)の第1回会合が首相官邸で開かれた。
安倍首相のブレーンである浜田内閣官房参与が、その会合で再増税実施を1年半ぐらい先送りすべきだと述べたことは記憶に新しい。この会合は11月中に計5回開催された。
まさに第1回会合の2日後の11月6日、クルーグマン教授は首相官邸を訪れ、安倍首相と長時間会談していたのだ。クルーグマン教授が「再増税反対論者」であることを承知のうえで、安倍首相は敢えて同教授に意見を求めたのである。

安倍首相は、すでに決断している

最終的に安倍首相は再増税を15ヵ月延期することを決断、同年11月21日に衆院を解散、消費増税延期を争点にして12月14日の総選挙で自民、公明両党は大勝した。安倍首相は今、この先例を踏襲しようとしているのではないか。
法律に定められた17年4月からの消費再増税を巡る報道では、日を重ねる毎に再延期論が支配的になりつつある。『日本経済新聞』(3月2日付朝刊)は「消費増税先送り、衆参同日選―首相判断、サミット節目」、『朝日新聞』(同)が「増税先送り・解散の見方も―世界経済分析の会合、布石?」と報じた。
当面は、5月18日に発表される国内総生産(GDP)1-3月期の速報値が、消費再増税強行か再延期の判断に大きな影響を与えるとされる。しかし、安倍首相はこの速報値も参考にするが、胸中ではすでに決断しているのではないか。
筆者が得ている情報によれば、安倍首相は伊勢志摩サミット最終日5月27日の記者会見で、消費増税再延期と財政出動(16年度補正予算5兆円規模)を発表するはずだ。
安倍官邸幹部は先日、筆者に対して「(その財源は)外為特別会計などいくらでもあります」と、片目を瞑りながら語った。残る関心は、参院選シングルと、衆参同日(同時)選のいずれになるのか、である。




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