【自衛艦衝突】釣り船のスクリューが上を向いた状態になっていた事が判明

大竹市の阿多田島北東沖の瀬戸内海で、海上自衛隊の呉基地を母港とする輸送艦おおすみと衝突した釣り船が転覆し、２人が死亡した事故で、引き揚げられた釣り船の船尾にあるスクリューが、上を向いた状態になっていたことが１７日、分かった。

輸送艦と衝突する前に何らかの原因で上を向いた可能性もある。広島海上保安部もこの事実を把握しており、事故との関連を慎重に捜査している。

スクリューは、?中で回転して船体を前進させる。船舶メーカーなどによると、航行中に上向きにすることは通常はあり得ないという。ただ、漂流物に当たるなど衝撃があった場合、スクリューを保護
するため自動的に上がる仕組みになっている。

捜査関係者は「衝突する前に上がったとすれば、ロープが絡まったり、網などに乗り上げたりしたケースが考えられる」と指摘。広島海上保安部は、衝突前にスクリューが上を向いたことで釣り船が減速し、事故につながった可能性もあるとみて調べる。

一方、メーカーの担当者は「スクリューがおおすみの船体に当たったか、転覆した時の衝撃で自動的に上を向いたのではないか」との見方を示した。広島海上保安部は１７日、広島県管理の係留施設ボートパーク広島（中区）の敷地内で釣り船を実況検分し、スクリューの状態を入念に調べた。

また、船首付近の倉庫周辺に１１人分の救命胴衣があったことを確認し、衛星利用測位システム（ＧＰＳ）の装置を回収。
衝突 痕や操舵（そうだ）室からの視界なども確かめた。

http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=24813&comment_sub_id=0&category_id=256&index_flg=1&pl=7945473347