明確な理由もなく、福島県など日本の8県の水産物輸入禁止措置を決めた韓国。ちょっと、待て。我が国に輸入されている韓国食品のほうがよっぽど猛毒ではないのか。キムチ、マッコリ、麺‥‥なじみのあるこれらの食品は、実は中国産食品よりアブナイものだった。その背景にある驚愕の実態を公開する。
「日本人のお客さんで韓国食品を買う人が激減しました。賞味期限の問題もあり、ワゴンに入れて格安で投げ売りしている状態です」
こうボヤくのは、ある食料雑貨店の店主である。最近、韓国の食品に対する不信感が広がっている。消費者問題研究所代表で食品問題評論家の垣田達哉氏が解説する。
「大量に輸入される中国食品に比べて、韓国食品は量も少なかったので目立ちませんでした。ところが、日本でも知名度の高い『辛ラーメン』の騒ぎが起こり、意識されるようになりました」
この騒動は、昨年10月、韓国の食品医薬品安全庁が4社9製品から、基準値を超える発ガン性物質ベンゾビレンを検出したのがキッカケだった。経済部記者が語る。
「検出された食品のうち『辛ラーメン』のメーカーである『農心』の製品が6種類含まれていました。『辛ラーメン』からは検出されなかったものの、指摘された商品のうち2種類が日本で流通。
また、一部のスーパーなどから韓国食品が撤去されたのです」
昨年末には、韓国の高校で集団食中毒が発生し、キムチからノロウイルスが検出され、751万トンに回収命令が出された。また、今年3月には焼酎「チャミスル」から軽油成分が検出、7月には冷麺などの食品が大腸菌に汚染されていることも明らかになった。在韓日本大使館が、ホームページを通じて渡航者に「食中毒に注意」と異例の注意勧告を行っているほどだ。また、大手食品メーカーの粉ミルクからカエルの死骸が見つかったり、乾燥麺から金属片が発見された。
そんな中、オリンピックの開催地が東京に決まる直前の9月6日、韓国政府が突然、福島など日本の8県の水産物を輸入禁止にすることを発表したのだ。
「これを受けて、菅義偉官房長官は『科学的根拠に基づいて対応してほしい』と苦言を呈しました。日本国内では東京五輪に対する妨害という意見も目立ちました」(前出・経済部記者)
一連の韓国内の食品の問題は日本にも知られることとなり、この輸入禁止措置に対して日本では「どの口で言ってんだッ」という憤怒感情も重なり、韓国からの輸入食品への危険性に対する意識が、より高まることになってしまったのだ。
日本で輸入食品の監視業務を行っているのは、厚生労働省であり、「輸入届出における代表的な食品衛生法違反事例」を公開しているのだが、この中にリストアップされた韓国からの輸入食品は実に40品目に上っているのである。
◆10/15発売(10/24号)より
猛毒食品リストの生鮮物における有毒物質は、主に農薬に由来するものである。また、冷凍の海産物においては、大腸菌を代表とする雑菌が記載されている。垣田氏はこう解説する。
「韓国では、激しい格差があり、食品関係者はすごく貧しいのです。農業生産物に関しては、安く、手軽に生産量を上げたいということで大量の農薬を使ってしまうのでしょう。また、お金がないことから、きちんとした衛生管理はできないし、できる状況ではないので、大腸菌なども検出されてしまうのです」
これまで、日本の輸入食品で毒物扱いされてきた食品の多くは中国産だった。しかし、07年、冷凍餃子に農薬(メタミドホス)が混入され食中毒を生んだ「毒餃子事件」以降、中国に変化が起こったという。
「今年6月、ピータンに工業用硫化銅が含まれた事件が中国で起こりましたが、日本には入ってきませんでした。毒餃子以降、中国政府が認可した工場を経由しないと輸出できないようにしたのです。それに比べると、韓国の場合はチェックが甘いということは言えます。経営規模の小さい、管理の甘いメーカーの食品を輸入できてしまうのも、問題を起こしている原因でしょう」(前出・垣田氏)
こうしたことから、韓国食品は中国食品よりも危険な可能性があると垣田氏は指摘する。何より韓国産のキムチ・生マッコリは、あの中国の輸入食品に対する大腸菌の基準をクリアできず、中国への輸出量は微々たるものとなっているのだ。
産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏は、韓国の衛生事情をこう語る。
「韓国トップメーカーのパック飯を食べているのですが、この前、黒いカビが生えていました。日本に比べると生産管理、製品管理は遅れています。
日本はその面では世界最高レベルで、比べるのはかわいそうだと思います。韓国も一生懸命それに追いつこうとはしているのですが‥‥」
韓国国内で衛生や食品添加物に対する消費者の意識が高まり始めたのは、ここ10年のことだという。
「商店、食堂、生鮮食品の衛生管理などは今でも日本と比べれば後進的です。ショッピングをすると、上のほうには見栄えのよいモノを入れて、下のほうには古いものを入れたりなどということがよくあり、韓国人たちはそういうものなんだ、と思っていたのです。それが近年、韓国も豊かになり、消費者の意識も向上しています」(前出・黒田氏)
五輪決定時期の輸入禁止措置問題は、民意を指導できない韓国政府の状況を象徴しているという。黒田氏が語る。
「東京での五輪開催に韓国が横やりを入れたというのは誤解です。9月19日は韓国の中秋節で先祖の墓に参ったり、親族に贈り物をするのです。今年は5連休で、この時期は高級魚を中心とした需要期なのです。その前に福島の一件で国内の魚の消費が激減していて、業者・消費者含めて政府は何をしているんだ、という世論的圧力がありました」
日本産食品の放射能問題では、韓国政府も安全を繰り返しアナウンスしていた。しかし、国民の大方はこれを信用しなかった。
「世論をなだめるために、しかたがなく輸入禁止としました。韓国では北海道産のタラの需要がとても多いのですが、今回は北海道産を除外しています。輸入禁止措置は激しいように見えて実はユルいのです」(前出・黒田氏)
何より、韓国人の多くは「反日」をうたいながらも、日本食品に関しては絶対の信頼を持っているという。
「日本の食品基準が厳しく、日本の食品は絶対安全だと、多くの一般市民は確信しています。今、韓国では日本のチェーン料理店が、特に若い世代の女性に人気です。その理由は、こうした日本の店が清潔だからなのです」(前出・黒田氏)
考えられることは、彼らも自国の汚染食品や、不衛生な環境を改善しようと躍起になっていること。また、日本に憧れを持ち、大きな目標としていることだと言えよう。韓国の基準が日本に追いつくまでには、まだ時間がかかりそうだが、当面の問題として汚染食品などを水際で止めることはできるのか。垣田氏は指摘する。
「各都道府県では、スーパーなどで実際に売られている韓国食品を検査していますが、やはり違反が見つかっていますので防ぎきれてはいません」
実際の流通の現場を抜き打ちで検査しているので、何らかの基準を超えた食品はすでに摂取されてしまっているのが現状だ。
「もし国産の食品で違反が出ると、その県のモノは当分売れなくなります。以前、栃木のイチゴで農薬の基準値をオーバーしたら、栃木のイチゴが1カ月くらい売れなくなりました。当事者だけでなく、周りにも迷惑をかけるので、すごく慎重にやっているのです。結局、国産品を消費するのが一番の防衛策です」(垣田氏)
やはり、目先の安さに捉われないことが賢明なようである。