着物姿でTPP署名の高鳥副大臣を民主党・福島氏が「売国の政治家」と批判 「ブルーチーズおいしい」も攻撃…
【衆院予算委】
衆院予算委員会で8日、ニュージーランドで4日に行われた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の署名式典に和服姿で出席した高鳥修一内閣府副大臣を、野党が「売国の政治家」と非難する一幕があった。
民主党の福島伸享氏は、高鳥氏がブログに「アメリカ政府の交渉担当者の1人が日本大使館の関係者に、『日本人は皆、あのように礼儀正しい教育を受けているのか?』と質問した」と記したことを挙げ、「お褒めの言葉をいただいたんだろうが、ブログで書くのは美しい日本人だと思わない」とチクリ。
福島氏はさらに、高鳥氏が過去にTPPについて「国家主権の放棄であり、平成の『開国』どころか平成の『売国』だと考えている」「TPP問題は日本を守る断固とした決意のある『保守政治家』か否かのリトマス試験紙みたいなものだ」と記していたことを紹介し、「署名式に和服で参加した方は売国の政治家になるのではないか」と追及した。
高鳥氏は「聖域なき関税撤廃を前提とするTPPに断固反対といってきた」と一部を認め、「当初、懸念されていた内容と、交渉結果が別物になった。国益を思う気持ちは一貫している」と釈明した。
福島氏はさらに、高鳥氏がニュージーランドでの出来事を記した4日付のブログで「ブルーチーズはおいしかったです」としたことも批判。甘利明前経済再生担当相はブルーチーズを含む酪農分野でニュージーランドと厳しい交渉をしてきたとして「心配している酪農家の思いを受けるのが保守政治家だ」と述べた。
高鳥氏は、4日の夕食会でニュージーランドの閣僚と同席した際に「昨日まで私はブルーチーズは好きではなかったが、今日、ニュージーランドのチーズがおいしいことが分かった」と伝え、友好的な雰囲気となったというエピソードを紹介した。そのうえで「(外交は)最後は人と人だ。友好的な関係をつくろうという現れだ。誤解を招いていることについてはおわびを申し上げたい」と陳謝した。
こうしたやりとりを見ていた石原伸晃経済再生担当相は、高鳥氏について「お父さまともども大変存じ上げているが、意志が強く国を思う、本当に素晴らしい政治家だ」と述べた。
衆院予算委員会で民主党の福島伸享氏の質問に答える高鳥修一内閣府副大臣=8日午前、国会・衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)
衆院予算委員会で民主党の玉木雄一郎氏の質問に答える高鳥修一内閣府副大臣=8日午前、国会・衆院第1委員室(斎藤良雄撮影)