消費税増税で日本終了!
消費税10%は何もメリットがない7つの理由
デフレ脱却をうたっていたアベノミクス。しかし、消費税8%の実施により、再びデフレへとリセッション(景気後退)したという懸念が、国内外の専門家からされています。
しかし、2017年4月に消費税10%が決定事項になっている今、予定どおり実施した場合、日本経済はどうなるのか予測しておく必要があります。
なぜ、政府は消費増税に熱心なのか?不況時の消費増税は、日本経済にメリットなのか?デメリットなのか?真相を追究するには「過去」から学ぶことが大切です。
実は、1997年の消費税以降のデータを見ると、不況時の消費増税が悪法でしかない「7つの理由」が浮かび上がってきます。
1997年の消費増税をピークに、税収は減っている
上の図は、財務省のHPで公開されている「一般会計の税収の推移グラフ」です。これを見ると、消費税を実施した1997年(平成9年)をピークに、税収が減少していることが分かります。
特に、1997年(平成9年)と1998年(平成10年)の境目を見ると税収が急落しています。駆け込み需要が終わった影響もありますが、その翌年はさらに落ち込んでいます。
消費税による収入増より、所得税と法人税の収入減が大きい
平成9年の消費増税後、平成10年、11年と、所得税(赤線)と法人税(青線)が急落しています。消費税(黒線)の税収だけが伸びている状況です。
そのため、平成10年より、小渕内閣が「緊急経済対策」として積極財政政策を実施。平成9年の国債発行額18.5兆円の、約2倍となる34.0兆円の規模に拡大しています。
しかし、所得税については、1997年の税収を一度も超えることなく現在に至っています。法人税も大きく減収しています。
1997年の消費増税以降、国債発行額が急増している
前述したように、消費増税による税収の落ち込みをカバーするため、小渕内閣は国債発行額を約2倍に増額。それ以降も、国債発行額が、平成9年よりも大幅に増えているのが分かります。
国債発行の増加は、歳入が減り財政が悪化していることを意味します。政府が良く使う「財政再建のために消費税を!」というレトリック(弁論技法)に、整合性がないことが分かります。
1997年を境に、自殺者数が急増している
上の画像を見れば一目瞭然ですが、1997年を境に、自殺者数が激増しています。
消費税推進派の人々は「1997年はアジア通貨危機や、証券会社の倒産が相次いだため、消費税だけの原因とは言い切れない」と反論するでしょう。
しかし、消費増税による負担が、景気に悪影響を及ぼしたことを100%否定できる人は誰もいないはず。
こう言うと「では、アジア通貨危機が原因だというのも、100%否定できないじゃないか」と反論が返ってくるでしょう。
そこで、以下の画像をご覧ください。これは、主要先進国の債務推移と、名目GDPの推移をグラフにしたものです。
これを見ると、日本のGDPだけが、2001年よりも縮小していることが分かります。
アジア通貨危機は、日本だけで起こったものではありません。世界の先進国が影響を受けた出来事です。
つまり、他の先進国は順調に経済成長しているのに、日本だけがデフレを継続している観点から、アジア通貨基金が原因ではないと言えます。
もちろん、消費税が全ての原因とは言い切れませんが、1997年以降の政府の経済政策が正しくなかったのは間違いありません。
続いて、2014年4月の消費税8%の実施後、どのような影響が見られるか確認しましょう。
2014年4月の消費増税をピークに、消費者物価指数が下がっている
2014年4月の消費増税以降、消費者物価指数が下落していることが分かります。
消費者物価指数とは、商品やサービス価格の平均的な変動を数値化したものです。消費者物価指数が下がるということは、消費が冷え込み、価格が下がる「デフレ状況」を意味します。
なお、消費者物価指数にはタイプがあり、エネルギー価格も含めた「コアCPI」と、エネルギー価格を除いた「コアコアCPI」があります。
コアCPIは、海外情勢によってエネルギー価格が上がると、消費者物価指数もつられて上昇してしまうため「純粋なデフレ状況」が見えにくい欠点があります。
そのため、エネルギー価格を除いた「コアコアCPI」で見るのが、消費者の動向を正確に把握する点で優位です。(コアコアCPIは「黒線のグラフ」です)
増税当初、政府(甘利経済再生担当大臣)は「増税前の駆け込み需要が終わったため、4月~6月期は消費が落ち込むが、7月~9月期よりV字回復する」と発言していました。
しかし、実態は2014年の年末までV字回復は一切起こらず、消費者物価指数(コアコアCPI)が、変わらず低迷しているのが分かります。
3回の消費増税をきっかけに、消費水準指数は下落している
消費水準指数とは、世帯単位の消費支出額から、物価変動の影響を取り除いた数値です。簡単に言うと「消費に使った純粋な金額」です。
上の図は、消費税を行った1989年、1997年、2014年の消費水準指数を重ねたグラフです。消費増税後、同じタイミングで消費水準指数が下落していることが分かります。その後、消費水準指数は増税前を超えることなく下がり続けています。
さらに危惧すべきことは、2014年の落ち込みが最も深刻だということです。
1989年はバブル景気だったためか、最も影響が小さいです。1997年はバブル崩壊の後遺症が残っていた不況時です。ところが、2014年の方が、さらに落ち込んでいるのが分かります。
これが一体何を意味するのか、真剣に考えるべきでしょう。
消費税による緊縮財政よりも、GDPの成長が財政健全化につながる
今までの経済データから、消費税が、所得税・法人税・消費支出を縮小させてしまう可能性が、濃厚なのが分かりました。つまり、消費税はGDPを縮小させる疑いがあるわけです。
繰り返しますが、消費税の目的は「税収の増加」です。税収を増やすには、税収の原資であるGDPを大きくすることが必須なのは当然です。
上の図を見ると分かりますが、GDP(棒グラフ)と税収(折れ線グラフ)は見事に一致しています。つまり、財政健全化をするには、増税よりもGDPの成長の方が、直接的な影響があると言えます。
また、上のグラフを見ると、2001年を基準として「日本の債務の伸び率」が一番低いのが分かります。これは、日本が消費増税を含めた「緊縮財政」を続けてきた決定的な証拠です。
そして、日本だけが2001年よりもGDPが減少。GDPが減少すれば、債務のウエイトは当然大きくなります。つまり、GDPを縮小させるほど財政破綻に近づきます。
消費税は、本当に日本経済(GDP)を縮小させていないのでしょうか?今までのデータを見れば、消費税が、GDPを伸ばす政策だと到底思えないのが「普通の感覚」だと思います。
まとめ
今だに、日本経済は「外需(輸出)」によって成り立っていると誤解している方がいますが、日本のGDPの約85%が「内需(国内消費)」によって築かれています。
中国や韓国のように外需依存が高い国は、世界情勢に左右されるため「不安定な構造」と言えます。逆に、内需大国の日本は、外的な影響に左右されにくい「安定した構造」と言えます。
ところが、消費税とは「消費に対する罰税」です。つまり「消費をするな」という政策であり、内需を冷え込ませる、最も有効な政策なのです。
なぜ、政府や財務省は「増税は不可避」と言い続けるのか?国民の信任を得るためには、増税以外に税収を増やす方法がないことを証明すべきです。
まずは、GDPの成長で税収を伸ばす政策をとらない根拠を証明してほしい。さもなければ、安倍政権は、2017年の消費税10%を境に支持を失い、第二の橋本政権という結末を歩むでしょう。