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韓国メディア、初代王者に喜ばず
「いかさま大会」「常識外れ」
「利己的競技日程」
日本への不満ばかり
野球の国際大会「プレミア12」で初代王者になった韓国だが、韓国メディアは終始、大会運営に関する日本への不満を並べ通しだった。日本と台湾にまたがる実施だったうえ、2週間という短期開催のため、移動や試合日程の過密さなどは当初から分かっていたはず。ところが、韓国メディアは「日本の利己的な競技日程が顰蹙(ひんしゅく)を買い続けている」(ハンギョレ新聞)とか「常識外れの運営」で「最も不利益を被ったのが韓国だった」(朝鮮日報)などと被害者意識丸出しである。大会には12カ国・地域が参加したが、寡聞にして、韓国サイドの不満しか目につかなかった。野球を国技とする韓国ならば、「反日情緒」による批判ばかりするのでなく、野球発展のための大会を盛り上げる方法を多少なりとも考えたらどうなのか。
「決勝なんて必要ない。日本に勝った時点で大会は終わっている」。11月19日に行われたプレミア12の準決勝で、韓国が0-3の九回に日本の継投ミスに付け込んで4点を奪い逆転勝ちしたのに対する韓国ネットユーザーの言葉だ。日韓間にはスポーツでも長い間のライバル意識が強い。スポーツに愛国心を託した“スポーツ・ナショナリズム”が優先するといわれる韓国では特に日本が相手となると、さらに高潮するとされるだけに、韓国国民の偽らざる心境を代弁しているのは間違いない。
試合ばかりではない。今大会の運営に関しても韓国メディアは競うように非難合戦を繰り広げた。ハンギョレ新聞は、日本が台湾での1次ラウンドでデーゲームが組まれていないことを指摘し、ナイター後のデーゲームが組まれた韓国のコンディション調整が「極めて難しい」と不公平さを糾弾した。
また、中央日報は当初20日に行われる予定だった準決勝が19日に前倒しされたことで、韓国選手は午前3時半に起床して移動し「大会日程は選手に相当な疲労感を与えている」などと非難。朝鮮日報はネットユーザーによる「台湾と日本によるいかさまな大会に、韓国が調子を合わせているみたいだ」などの書き込みを紹介しつつ、それに従う韓国野球委員会(KBO)に怒りの矛先を向けている。
ただ、今回の大会は遊びではない。プロ野球の興行である。運営費が掛かり、収支決算で損失を出すわけにはいかない。中央日報は「プレミア12は日本・韓国・台湾以外では大きな関心を集めていない」と初回大会の難しさを指摘しているではないか。関心のある国を中心に興行を組み、黒字化を図るのは経済原理に符合しているはずだ。日本戦は韓国との開幕戦で19%、プエルトリコとの準々決勝は18.6%、韓国との準決勝は平均25.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で、瞬間最高視聴率は32.2%にも達し、高い関心を物語ったことでも分かる。
さらにスポンサーを見ると、大半が日本企業だ。朝鮮日報によると、KBOの運営部長は準決勝の日程について抗議した際、「興行のため、やむを得ない決定であり、理解してほしいという答え」が返ってきたと話している。中央日報が「日本は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)と結託して大会中に日程を有利に決め」たとし、「被害はそのまま韓国が受けた」と批判する前に、韓国財閥企業の一つでもメーンスポンサーとして大会を下支えできなかった財閥経営者の器量をあげつらうべきではないのか。それこそ、企業の社会貢献の一環ではないのか。
2020年東京五輪で野球・ソフトボールの復活を見据えている。今大会の成功は復活アピールに効果的なはずだ。「プレミア12は主催国・日本の祭りだった。韓国が冷水を浴びせるまでは」(中央日報)などと視野の狭い「反日情緒」に血道を上げるより、“野球”の国際発展のために一役買うほうが格好はいい。野球の発展で日本だけが恩恵を受けるわけではない。