丸善ジュンク堂渋谷店
自由と民主主義のための必読書50
ブックフェアを中止
MARUZEN&ジュンク堂書店は10月23日、渋谷店で実施されていた「自由と民主主義のための必読書50」と題するブックフェアを中止し、店頭にあった書棚を撤去した。
店頭に並べられていた本は、安保法制の反対デモを国会前で繰り広げた学生団体「SEALDs」と作家の高橋源一郎さんによる『民主主義ってなんだ?』や、アメリカ・ニューヨークのウォール街占拠デモを紹介した『私たちは“99%”だ――ドキュメント ウォール街を占拠せよ』などがある。
渋谷店や関係者によると、ブックフェアは9月下旬から従業員の発案による企画として始まった。「幅広い意見を紹介していくのが書店の使命。広く書籍を集めて展開した」と店長は説明する。
一方でTwitterでは18日から「ジュンク堂渋谷非公式」というアカウントが、ブックフェアを告知。「夏の参院選まではうちも闘うと決めましたので!」「うちには闘うメンツが揃っています。書店としてできることをやります!一緒に闘ってください」といったツイートを発信していた。
これに対しTwitterなどで「反日」「もう買わない」といった非難や、安倍政権に批判的な書籍を選んだことが「偏向している」といった批判が相次いだ。MARUZEN&ジュンク堂書店は20日に以下のような公式アカウントで説明し、「非公式」アカウントは削除された。
22日には、以下のようなコメントを発表。アカウントは従業員による「特定の意見を支持するツイート」で「弊社の公式な意思・見解とは異なる」とし、従業員の処分の可能性も示唆した。選書の中身も「本来のフェアタイトルの趣旨にそぐわない選書内容」として見直す考えを明らかにした。
弊社は書店の役割は「さまざまな意見や考え方を幅広く紹介する場」であるという姿勢で営業してまいりました。
これからも変わりません。
この度、弊社従業員による私的なツイッターアカウントより、特定の意見を支持するツイートがありました。
これは弊社の公式な意思・見解とは異なる内容です。
どのような経緯でこのようなツイートが発信されるに至ったかを調査し、その結果、コンプライアンス違反が認められた場合は社内の規定に則り適切に対処致します。
また当該フェアにおいて、弊社方針のもとフェア自体は継続してまいりますが、本来のフェアタイトルの趣旨にそぐわない選書内容であったため、現在その内容について精査し選書を見直して再開する予定です。
お客様及びお取引先各社様よりお寄せいただいたご意見を真摯に受け止め、幅広い意見や考え方を反映した出版物を扱う書店のあり方を改めて見直し、多くの方にご満足いただける店舗を目指して参ります。
同店の店長は23日、ハフポスト日本版の取材に「批判などの件数や内容は把握しているが、外部に申し上げることはない。再開時期や、選書のラインナップが適正だったのかも含めて精査している」と話した。MARUZEN&ジュンク堂書店の営業本部は23日「担当者が出張中で、発表したコメント以外には答えられない」と述べた。