![連合第14回定期大会後にレセプションが行われ、あいさつする神津里季生会長=7日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)]()
民主党最大の支持団体、連合は、7代目会長に就任した神津里季生氏率いる新執行部体制が始動した。来夏の参院選をにらみ、神津氏は「1強多弱」の打破に向けて「民主党を中心とした受け皿が大事」と野党結集を訴える。だが、民主党の政党支持率は低空飛行、浮揚のきっかけさえ見当たらない。民主中心の結集も野合批判を浴びれば、労働政策の実現は遠のいてしまうだけに、立ち位置に苦悩する局面もありそうだ。
「会長任期の2年、一筋縄ではいかない2年と覚悟している」。7日の新執行部発足のレセプション。神津氏は民主党の岡田克也代表らを前に、多難な船出になるとの認識を示し、こう続けた。「民主党が中心となって国民の声を受け止める形をつくってほしい。連合もしっかり協力したい」
連合は来夏の参院選に現行制度下で最多となる12人の組織内候補を民主党公認候補として擁立する。そして、「1強多弱」打破に向け、民主中心の野党結集に望みを託す。
だが、連合内では「民主党と心中する気はない」との声も漏れる。安倍晋三政権とのパイプも維持したいという本音ものぞく。新執行部の運動方針には、民主支援強化と並んで「政権・与党に対しては引き続き政策要請などの活動を通じ、連合の政策への理解を求める」とも明記した。
ただ、連合が反発していた改正労働者派遣法が成立するなど政権との対決姿勢は崩せない。当面は野党結集を見守る構えだ。
東大野球部でマネジャーを務めた神津氏は東京新聞夕刊(2日付)のコラムで「決して野合ではなく、安定的な結集軸が不可欠。大事な場面だからこそ、丁寧に試合をつくる努力が求められている」と指摘し、野党にクギを刺した。(岡田浩明)