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【中露韓連合】韓国は「帰らざる橋」を渡る 「非民主国家連合に参加」と世界から見なされた朴槿恵=日経新聞編集委員 鈴置高史

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韓国は「帰らざる橋」を渡る
「非民主国家連合に参加」
世界から見なされた朴槿恵

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朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が中国の抗日式典に参加した。 
韓国は米国陣営から中国側へと大きく踏み出した。
この国は「帰らざる橋」を渡っている。 

■中国から盃 
9月3日に北京で開かれた抗日式典――抗日戦勝70周年記念式典に朴槿恵大統領が参加しました。 
鈴置:これで韓国は一気に中国側に寄りました。同盟国である米国の要請を無視し、その仮想敵の言いなりになったのです。 
韓国人は米中等距離外交を展開しているつもりです。
しかし周りからは「中国から盃(さかずき)をもらった」と見なされました。 

韓国は米国とはまだ同盟を結んでいますから、北東アジアには実に奇妙な――米中対立が深まる中、 
米国の同盟国が中国と行動をともにするという奇妙な構図が出現したのです。 

■天安門の衝撃 
 天安門の壇上で習近平主席が演説しました。その真下の雛段で、朴槿恵大統領はプーチン大統領と並んで演説に聞き入りました。 
鈴置:そんな3ショット映像を見た多くの人から、質問が寄せられました。海外の研究者、外交官を含みます。 

「韓国は米国から離れてやっていけるのか」「米国はどんな罰を韓国に与えると思うか」――など、 
韓国の「離米従中」に首を傾げる声ばかりでした。 

欧州や米国では「離米従中」はあまり知られていませんでした。これを機に世界での韓国のイメージはがらりと変わると思われます。 
神戸大学大学院の木村幹教授は以下のように語っています。 
朴槿恵大統領が習近平主席だけではなく、
プーチン大統領とも天安門で並んだ映像が流れたことで米欧、 
ことに欧州では韓国への違和感が一気に増すだろう。
ウクライナ問題により、欧州などではロシアに対する不快感が増している。
 
国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているスーダンのバシル大統領も抗日式典に参加した。
人権問題を重視する人々には、今回の式典はあたかも中露両国を中心とする「非民主主義国家連合」のイベントに映ったかもしれない。 
そこに韓国が「主要メンバー」として参加したことは、国際社会における韓国の印象に少なからず影響を与えることになるだろう。 
●軍事パレードを参観した注目の海外要人 
 ロシア プーチン大統領 
 韓国 朴槿恵大統領 
 南アフリカ ズマ大統領 
 モンゴル エルベグドルジ大統領 
 カザフスタン ナザルバエフ大統領 
 北朝鮮 崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党書記 
 スーダン バシル大統領 
 国連 潘基文(パン・ギムン)事務総長 
 (注)欧米主要国は閣僚や駐中国大使らが参加

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■「冊封復活」をお披露目 
天安門の映像が韓国の立ち位置を象徴した、ということですね。 
鈴置:その通りです。注目すべきは式典への参加が単なる「シンボル」に留まらず、それがまた「離米従中」を加速することです。 
韓国は米国側に戻れない「ノーリターンポイント」を超え始めたように思います。「加速」の理由は3つあります。 

まず中国が、これを機に韓国に対する各分野での要求を強めると予想されるからです。 
中国にすれば、朴槿恵大統領の式典参加は昔の属国――朝貢国が手元に戻ってきたことを天下に示す儀式でした。 

日清戦争で負けて以来、120年振りの出来事です。もう韓国は外国ではないのです。戻ってきた属国に遠慮は要りません。 
それどころか今後は韓国にどんどん命令し、どんどん言うことを聞かせる必要があります。 
でなければ、中国が再び宗主国となったことを世界に示せません。
 

そもそも中国が韓国に圧力をかけ、米国の制止を振り切らせてこの式典に参加させたのは、 
冊封体制の復活を世界に印象付けるのも目的なのですから。 

「どんどん言うことを聞かせる」ですか……。 
鈴置:すでにその兆候が出始めました。韓国は式典参加によって、米国の不興を買うことを恐れました。 
米国が怒るのは当然です。軍事パレードには米国を狙うミサイルが登場します。 
それを、こともあろうに同盟国の大統領が参観するのですから。そこで韓国は理屈を考え出しました。以下です。 
?韓国は危険な北朝鮮と対峙している。また北との統一問題も抱えている。 
だから北朝鮮に大きな影響力を持つ中国との関係に気を使わざるを得ず、式典に参加するのだ。 
これは韓国と同盟を結ぶ米国の利益にもつながる。米国は韓国の式典参加に反対すべきではない。 


■へ理屈は不発 
 一見、それらしい理屈ですが。 
 北朝鮮に中国が影響力を持っている――という大前提からして誤っています。
 もしそうなら、北の核開発を中国は止めていたはずです。 
北が中国の顔色を読む国なら、最近の「地雷事件」のような挑発も起こさなかったでしょう(「どうせ、中国の属国だったのだから……」
参照)。 

 なるほど。韓国らしいへ理屈ということですね。 
鈴置:さすがに韓国も、自分で言いながらこの理屈の説得力の乏しさは分かっている。 
そこで式典前日の9月2日の中韓首脳会談で、習近平主席から北朝鮮を牽制する言葉を引き出そうとしました。 
成功すれば、へ理屈が少しはもっともらしくなると考えたのでしょう。 

しかしそれも空振りに終わりました。青瓦台(大統領府)が会談結果(9月2日、韓国語)を公表しています。 
これによると、非核化や統一問題に関し、中国の北朝鮮に対する姿勢は全く変わっていません。

左派系紙、ハンギョレは「韓国側発表によれば、状況が進展したかのように見える部分もある。
しかし、本質的な変化は見出しがたい」と手厳しい評価を下しました。 
同紙・日本語版の「[ニュース分析]  北朝鮮核など自制要求…韓国の提案受け入れる中国」(9月2日)という記事です。 
なお、この見出しの翻訳はおかしくて、内容と正反対です。 

原文の韓国語版の見出しを見ると「中国、北の核自制など韓国の要求を受け入れる格好に見えるが… 
大きな進展はなし」(9月2日)で、ちゃんと内容と合っています。 

■怪しい誤訳 
そうそう、韓国政府も習近平主席の発言を誤訳して発表しました。 
ハンギョレは「青瓦台の『習近平発言の誇張翻訳』、修正ハプニング」(9月2日、韓国語版)で以下のように指摘しました。 
この日(9月2日)午後、青瓦台が最初に発表した資料によると、 
習主席は「朴槿恵大統領と私の協力により、韓中関係は現在、歴代最上の友好関係に発展した」と述べた。 
しかし午後遅くに青瓦台が配布した訂正資料では、習主席発言は「韓中両国は友好的な隣の国」
「韓中関係は現在、政治的な相互信頼、経済・文化協力、人的な交流がともに進むという喜ばしい様相を見せている」 
といった“低水準”の内容に留まった。 

当然、ネットメディアや放送局は「歴代最上の友好関係」と報じ続けました。 
後で青瓦台は「初めの資料は意訳だった」と説明しましたが普通、国家元首の発言は意訳しません。 
乏しい外交成果を何とか大きく見せたいと焦った、と疑われても仕方ありません。 

さて、韓国各紙によると、会談前に韓国政府高官は「米国の反対を押し切って式典に参加するのだから、 
中国は北朝鮮問題で何らかのプレゼントをくれるはずだ」との期待感を表明していました。
 

例えば朝鮮日報は「朴大統領、中国と『統一外交』を種まき…米日とも対北協調」 
(9月1日、韓国語版)で、以下のように書いていました。 

■韓国の勘違い 
青瓦台関係者は「今回の首脳会談を通じ、北朝鮮問題解決の原動力を作ろうというのが大統領の考え」と述べた。 
特に北朝鮮の核と関連し、「両首脳が過去よりも進んだメッセージを出すことが重要だ」と語った。 
朴大統領が米国の「懸念」にもかかわらず中国の戦勝節行事(抗日式典)に参加するだけに、 
習主席も誠意を見せるだろうとの観測が多い。 

 韓国の希望はなぜ空振りに終わったのでしょうか。 
鈴置:中国にとって、この式典により韓国の取り込みが終了したからです。 
「釣った魚に餌はやらない」ではありませんが、中国は自分の属国にサービスする気はありません。 

韓国は大きな勘違いをしているようです。中国は韓国を米国から引きはがそうとしている。 
だから中国から大事にしてもらえるはずだ――と計算しています。 

確かに米韓同盟は未だ存在しますが、韓国は事実上、中国側に来てしまいました。となるとこれ以上、韓国を大事にする必要は中国にはなくなったのです。 
そんな韓国を米国は引き戻そうとしませんし。韓国には帰る場所がなくなるでしょう。 

■朴槿恵は来賓No.2 
 でも今回、中国は朴槿恵大統領を大歓待しました。 
天安門ではプーチン大統領に次ぐ「来賓No.2」の席を与えたり、習近平主席との単独の午餐会を開いたり。 

鈴置:いずれも儀典上で大事にしたに過ぎません。式典に参加した首脳の顔触れを見て下さい。
清朝当時の属国で、元首を送ってきたのは韓国ぐらいです。 

中国が韓国を大歓待したのは当然です。自らの権威を示す祭典に参加した属国の代表に対し、 
派手な手土産を持たせて帰すのが宗主国の仁義です。 

 モンゴルやカザフスタンからも国家元首が参加しました。 
鈴置:清朝は少なくとも形式的には女真族、漢族、モンゴル人によって建てられた王朝です。 
モンゴルを旧属国とは見なせないのでしょう。 

カザフを旧属国にカウントしたかは分かりません。ただ、もしそう判断したとしても 
「中央アジアの国より高麗や朝鮮の方が冊封体制の中で格上」との基準を適用したと思われます。 

■帰り場所はない 
一方、肝心の外交面では先ほど指摘したように、韓国があれほど北への圧力強化を願ったのに、
中国は何ひとつ意味ある言質を与えなかったではないですか。 
属国から外交政策を指示されて「はいはい」と聞く宗主国などないのです。 

 韓国は「今回、中国を説得し韓中日首脳会談の開催に同意してもらった。平和に向けた大きな貢献だ」と誇っています。 

鈴置:その開催に中国が消極的だったのは、日中関係が今以上に悪かった時の話です。 
もう、日中の2カ国で首脳会談も開いているので、中国にすれば日本との関係改善を 
韓国に取り持ってもらう必要などないのです。 

韓国は“非民主国家連合への参加”により、西側から「怪しい国」と見なされました。 
それを何とか取り繕おうと、必死で「世界平和に貢献する韓国」を強調しているのです。 

 話を戻します。先ほど、米国に嫌われた韓国には「帰り場所がない」と言われましたが。 
鈴置:米国が韓国を見限り始めたと思われるからです。
 
朴槿恵大統領の抗日式典参加に対する、米国の姿勢を見れば明らかです。 

まず米国は参加しないよう、韓国に水面下で警告を発しました。 
それでも韓国が聞かないので、日本と韓国のメディアまで動員し公開的に「NO!」と言ったのです(「“恩知らず”の韓国」参照)。 

■日本よ、余計なお世話だ 
 韓国紙の日本語版は「式典参加には米国が賛成してくれた」と報じていたように思いますが……。 
鈴置:それに関し面白い記事がありました。朝鮮日報の1面のコラム「八面鋒(パルミョンボン)」(8月28日、韓国語版)です。 
朝日新聞夕刊の「素粒子」みたいな欄です。その1節が以下です。 
?日本メディア、朴大統領の中国・戦勝節参加に敏感な反応。他人が心配するほど韓米同盟は脆弱ではない。 
朴槿恵大統領の式典参加に対し、8月9日に共同通信が「米国が懸念を伝えた」と報じたので、 
韓国は大騒ぎになりました(「“恩知らず”の韓国」参照)。 

朝鮮日報は日本に対し「余計なお世話だ、韓米関係は盤石だ」と言い返したのです。 
朝鮮日報が胸をそらした根拠は、米国務省のコメントでした。 
共同通信の記事によって韓国政府は大いに困惑しました。 
それもあって、聯合ニュースが米国務省に朴槿恵大統領の式典参加をどう思うか聞いたのです。

聯合ニュースの英文版「U.S. says respects S. Korea's decision to attend Chinese military parade」(8月27日)によると、 米国務省報道官は以下のように答えています。 
"Participation in these events is the sovereign decision of each country. We respect the Republic of Korea's decision," 

■もう、泣きついて来るなよ 
韓国が胸をそらせるほどのコメントではありません。「支持」したのではなく「尊重」したに過ぎないからです。 
そしてその前に「参加するかはそれぞれの主権国家が決める問題だ」と、冷ややかに原則論を述べています。 

はっきり言えば「どうしても参加したいのならしろ」であり、深読みすれば 
「好き勝手にやれ。ただ同盟を無視した以上、今後は米国に助けてくれなんて泣きつくんじゃないぞ」ということでしょう。 

8月31日には尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官がジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官とアンカレッジで会って 
「朴大統領の行事出席が韓半島全体に及ぼす含意を十分に理解する」とのコメントをもらった――と韓国政府は発表しました。 

中央日報は「米国務長官、『朴大統領の戦勝節出席、十分に理解する』」(9月2日、日本語版)でそう報じています。 

でもこれも「理解」であって「支持」ではありません。朴槿恵大統領がどうしても参加する、という以上、米国はこう言うしかない。 
もし「絶対反対する」と言って朴槿恵大統領に参加されたら、面子を失うからです。 

ただでさえ「同盟国の米国離れ」に注目が集まっています。 
有名な国際政治コンサルタントのイアン・ブレマー(Ian Bremmer)氏が、 
2014年の米国の直面する最大の問題として掲げたほどです。 

なお、彼は2年前には「米国離れする国」の中に、韓国を入れていませんでした。 
今になって驚いているかもしれません(「『米国の怒り』を日本のメディアで知った韓国人」参照)。 

■米韓同盟は長くは持たない 
 なるほど、韓国紙の「韓米関係は何の問題もない」という報道は……。 
鈴置:そうです。相当に怪しいのです。今回の局面では米国が最後は「理解した」ので、韓国は米中間で板挟みにならないで済みました。 
短期的には、必死でへ理屈をこねた「韓国外交当局の勝利」かもしれません。 
でもよく考えて下さい。米国が韓国を止めなくなったことの方が韓国にとっては恐ろしいことなのです。 
もう、自分の陣営に引き止めるほどの国ではないと、米国が見なしたことを意味するからです。

米国のアジア専門家、ことに安全保障の専門家に「いつまで米韓同盟は持つのか」と聞くと 
「長くは持たない」と答える人が急速に増えています。 
韓国の「離米従中」と、米国の「韓国への冷ややかな視線」は20年前に――中韓国交正常化の直後から始まっています。 
米国は韓国に対し次第に疑いを深めてきました。抗日式典問題はその最後の一撃となりそうです。 

冒頭で「米国は韓国にどんな罰を与えるか」と聞かれた話をしました。私はある国の外交官にこう答えました。 
「米国は罰を与えない可能性が高い。もう韓国を自分の陣営の国とは見なしていないからだ。 
代わりに、ゆっくりと韓国を見捨てていくだろう」。 

軍事的にも「韓国から静かに離れる米国」で指摘したように、在韓米軍、ことに陸軍はもぬけの殻となりつつあります。 
米韓関係を語り出すと長話になりますので、詳しくは別の機会にしますが。 

■板門店の帰らざる橋 
 だんだん分かってきました。今回の式典参加で韓国の「離米従中」がノーリターンポイントを超えかけている。 
その理由の2つ目が、米国ということですね。 

鈴置:そうです。まずは中国要因。韓国を「出戻りの属国」と見なす中国がますます自分の陣営に引き込む。 
それに加え、韓国との同盟に疲れてきた米国も、韓国を引き留めようとはしなくなっている。 
すると板挟みのストレスがなくなった韓国人が調子に乗ってどんどん中国の言いなりになっていく――という構図です。 

南北朝鮮の交渉の場である板門店の共同警備区域には「帰らざる橋」があります。 
軍事境界線上の川にかかっていまして、1953年の朝鮮戦争終了時にはここで捕虜が交換されました。 

国連軍に捕まった北朝鮮や中国の兵士の中には、送還されることを望まず韓国に留まったり、 
台湾行きを希望する人も多かった。共産主義への幻滅からです。 

でも母国に家族が残っているケースがほとんど。彼らの悩みは計り知れません。 
中には東西どちらの陣営に帰属するのも拒否し、中立国に住むことを選んだ人もいました。 

いずれにせよ、自らの将来を選べるのは一度だけ。二度と選び直す機会は与えられませんでした。 
捕虜たちはこの橋を渡ったら元の世界に戻るしか、道はなくなったのです。 

■「嫌いな中国」を選ぶ 
 今、韓国は「帰らざる橋」を渡っているのですね。 
鈴置:120年前に初めて、大陸国家ながら海洋勢力側に鞍替えした結果、自由と繁栄を謳歌してきたというのに。 
ただ、まだ今なら何とか戻れるかも……しかし、戻るつもりはなさそうに見えます。 

 ほとんどの韓国人が中国よりも米国が好きでしょう。なぜ……。 
鈴置:韓国人は米国の方がはるかに好きです。でも、嫌いだろうと韓国人は中国を選ばざるを得ないこともあるのです。 
韓国が「帰らざる橋」を渡り始めた理由のうち、3つ目がここに――韓国人そのものにあるのです。 

日経ビジネス 2015年9月7日(月) http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/226331/090400012/?rt=nocnt


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★朴大統領の軍事パレード出席に米国が不快感 
ハンギョレ新聞 9月5日(土)7時44分配信 

「ワシントンの雰囲気はかなり否定的」 
中国の軍事パレードについても「時代錯誤的」 

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が中国の「抗日・反ファシスト戦争勝利70周年記念式典」に出席したことついて、 米国国務省の公式の反応とは裏腹に、ワシントンはかなり否定的な雰囲気だ。 

 マーク・トナー国務省副報道官は3日(現地時間)の定例ブリーフィングで、「地域内の他の国とどのような関係を結ぶかを決めるのは韓国の主権事項」という従来の立場を再確認した。 
米国務省は、これまで朴大統領の戦勝記念式典への出席を「尊重する」という態度を維持してきた。 

 しかし、ワシントンのあるシンクタンクの専門家は、匿名を条件に

「朴大統領の戦勝式典への出席について、 
  ワシントンの全般的な雰囲気はかなり否定的」
だとし

「一部では『ブルーチームにいるべき人がレッドチームにいる』とまで言っている」
と伝えた。 

ブルーチームは「わがチーム」、レッドチームは「相手チーム」のことを指す言葉で、国防部では「味方」と「敵」の意味で使う場合もある。 
それほど朴大統領の戦勝記念式典への出席を深刻に受け止めているということだ。 

 中国の軍事パレードと関連して、トナー副報道官は「私たちは、中国が記念行事を主催する権利と権限に疑問を呈したり、 挑戦したいわけではない」としながらも、「和解と癒しを強調する行事を望むという点を中国と共有してきた」と強調することで、 今回の行事の“日本叩き”的な側面について、遠回しで不満を示した。ピーター・クック国防省報道官も「(パレードは)私たちのスタイルではない。 米軍は世界最強だ。軍事パレードで私たちの能力を見せつける必要はない」とし、中国の武力誇示を皮肉った。 

 専門家の間では「中国の軍事パレードは自国民を対象にしたメッセージ」(ボニー・グラッソー戦略国際問題研究所上席研究員)という「国内向け」という見解と、
 
「冷戦時代の時代錯誤的な印象を受けた」
(スコット・スナイダー米国外交協会上席研究員)

という批判的な見解に、
見方が分かれた。

 


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