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G7強く「南シナ海の埋立てに反対」と、これまでになかった文言が盛り込まれた。メルケル独首相がホスト、主役はオバマ大統領ではなく、  安倍首相のようである。

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G7強く「南シナ海の埋立てに反対」と、これまでになかった文言が盛り込まれた。メルケル独首相がホスト、主役はオバマ大統領ではなく、 安倍首相のようである。

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)6月9日(火曜日)   通算第4569号 
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 中国の「軍事外交」に反対の波、世界に広がる
 
  マレーシアもボルネオ沖の中国軍の侵略に抗議へ
 
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 G7(15年6月、ドイツ・エルマウ)の首脳共同声明では、

強く「南シナ海の埋立てに反対」と、これまでになかった文言が盛り込まれた。

 
すなわち
「東シナ海、南シナ海での緊張を懸念し、大規模な埋立てを含む現状の変更を試みる一方的行動に強く反対する」。
 
この論調の色彩の変化は注目しておく必要がある。

 安倍晋三首相のリードにより、会議における討論の40%が、南シナ海が議題になったという。

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ほかにロシア批判、自由経済の推進、環境問題で議論が伯仲した。
 
しかし南シナ海問題を殆ど報じないのは中国とロシアのメディアだった。

中国は南シナ海への言及に関して反論し「G7が介入する権利はない」と開き直ったが。。

 2014年6月のブリュッセルサミットでは、

「東・南シナ海の緊張を深く懸念し、航行飛行の自由、法の支配の重要性」が強調された。
 
 15年4月の「海洋安全保障に関する外相宣言」で、ようやく、

「東、南シナ海の状況を注視し、大規模埋立てを含む一方的な現状変更に懸念、力による領土、海洋の権利主張の試みに強く反対」という文言だった。


 この色彩がG7首脳サミットで「正式」に採択された。

 


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 それも米国の姿勢が次第に懸念表明から現実の脅威となり、

 米国内の中国批判を背にして、

 ペンタゴンが強硬な発言を繰り出すようになったからだ。

 
 2015年5月8日、ペンタゴンの報告では

「中国が南シナ海で進める岩礁の埋立てが拡大している」とし、

同月27日、ウォレン報道官は「米軍機を22キロ以内に侵入させるのが次の段階」とした。

 これに反応して中国は
「米国の偵察飛行は偶発的な衝突を起こしかねず、強烈な不満を表明する」(中国外交部報道官)とした。

 5月30日、カーター国防長官が「ある国は他の国よりも埋立てを迅速に進めている。

あまりにも早く行っている。それは中国だ。全当事者が即時かつ永続的に埋立てに注視すべきだ」
と発言すると、

中国は「人口島は軍事防衛の需要を満たすためだ」と、

孫建国副参謀長が明確に「軍事目的」を認めるに至った。

 日本は「一方的な現状変更の試みを放置してはならない」と国際社会の共同を呼びかけた

(6月7日、サミットで安倍首相)


 ▲こうした環境で氾長龍が訪米へ

 中国の軍事委員会副主席(事実上のトップ)である氾長龍が米国を訪問し、カーター国防長官と会見する。中国軍トップの訪米団はワシントンのあと、キューバを訪問する予定である(「氾」には草冠)。

氾長龍は、5月の習近平モスクワ訪問にも随行したが、習の進める「軍事外交」の「開局者」といわれるようになった。習の外交思想の実践をまっさきに展開する軍人ということである。
 
 そして随行団に注目する必要がある。

 氾長龍訪米に随行するのは、孫建国・副参謀長、総政治部副部長の晃昌徳、北京軍区司令の宋普選。
 
なかでも孫建国は「ミスター潜水艦」といわれる海軍出身で、先般のシャングリラ対話で、強硬意見を繰り出した。

 マレーシアなどは、こうした中国の硬直した姿勢を目撃して以来、穏和路線を転換し、ボルネオ沖のマレーシア領海における中国の埋めたてに「抗議」した。

 ここに大事なニュースが入った。
 
 「中国主導のAIIBで、中国は拒否権を持つことがわかった」

 (ウォールストリートジャーナル、6月9日)。

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