【12月12日 AFP】2018年平昌冬季五輪の大会組織委員会は12日、開催準備がすでに進んでいるとして、分散開催を考慮するには手遅れだとの見解を示し、一部競技を日本で実施するどんな可能性も除外すると正式に表明した。

 国際オリンピック委員会(IOC)が先日、いくつかの改革案を承認したことで開催国以外での競技実施が可能となり、ボブスレーとリュージュが長野で代替開催されるのではないかと話題になっていた。

 IOCが承認した改革案では、開催国にとって効率的で持続的なコスト管理が可能になるとされている。

 平昌冬季五輪は財政難から準備の遅れが指摘されているが、大会組織委員会の趙亮鎬(Yang Ho Cho、チョ・ヤンホ)委員長は、IOCの改革はあまりにも遅すぎたと語っている。

 趙委員長は、五輪とパラリンピックの全競技が韓国で開催されることを明言し、「すべての競技会場の建設が進行中であり、現段階でIOCの改革案をわれわれの計画に組み込むことは困難だ」と語った。

 趙委員長はまた、2016年2月に控えているプレ大会までに新たな計画を策定する時間はないとの見解を示した。
「われわれは費用を抑えるための対策だけでなく、競技会場を大会終了後も活用できるよう計画を立てている」

 大会組織委員会はまた、新しいメーンスタジアムの建設に向けて、これまで以上の資金を投入するよう韓国政府にはたらきかけることを明らかにしている。

 趙委員長は日本について特に言及しなかったものの、大会組織委員会の広報担当者は先日、日本との分散開催は韓国国内で反発を受けるとして、否定的な考えを示している。

 広報担当者は韓国のKBSテレビに対し、「われわれのスタンスとして、国民感情を考慮すると(日本で)いくつかの競技を行うことは大変難しいです」とコメントしている。(c)AFP