moi_29_ppさん

テレビでケント・ギルバートさんが

「アメリカでは共謀罪は常識ですよ」
「馴染んでます」
「犯罪を防止できますから」

と答えて司会者は何も答えられませんでした。

なぜ日本では共謀罪を反対するのですか？

共謀罪を作って犯罪が増えるのですか？
アメリカで共謀罪のため逮捕された一般市民は多くいるのですか？
アメリカは暗黒社会なのですか？
共謀罪は罪の無い一般人を逮捕する法律なのですか？

tytkha13920さん

犯罪というのは、実行した程度が高い順に「既遂」「未遂」「予備」となります。
「共謀」というのは「予備」の手前の段階です。

そこで、「予備」罪すら処罰しないのに、「共謀」罪を処罰するのは合理性に欠ける、という問題が発生します。
現行法では、殺人罪、強盗罪などの一部の犯罪を除いて「予備罪」を処罰する規定がありません。
したがって、順番としては「予備罪」の規定を設けなければ「共謀罪」を処罰する規定が設けられないのではないか、ということなのです。

その他、「共謀共同正犯」という考え方で十分対応できる、という考え方もあります。
（実際に犯罪を実行しなくても、事前の共謀に参加したことによって実質的には犯罪を実行したものと同一視できる場合には「正犯」として認めることができるという考え方）（典型例は地下鉄サリン事件の場合の麻原被告）

従って、回答は以下のようになります。

なぜ日本では共謀罪を反対するのですか？
→単純に反対ということもあるとは思いますが、「予備罪」との兼ね合いをどうするかという問題の解決をどうするかということを解決しなければならないのです。

共謀罪を作って犯罪が増えるのですか？
→今まで犯罪ではなかったことが犯罪となるわけですから犯罪の実数は増えます。

アメリカで共謀罪のため逮捕された一般市民は多くいるのですか？
→何人いたら多いことになるか明確な基準はないと思いますが、共謀罪で逮捕された人はいます。

アメリカは暗黒社会なのですか？
→社会の秩序を守るため共謀の段階から取り締まるということであって、それをもって直ちに「暗黒社会」と言い切ることはできないですよ。

共謀罪は罪の無い一般人を逮捕する法律なのですか？
→今まで犯罪とされなかったことが犯罪となるということからすれば、「今までは」罪に問われなかった人が犯罪に問われることには変わりありません。しかし「罪のない」一般人が逮捕される法律ではありません。
罪のない人を逮捕する法律であるという論調も見受けられますが、普通の生活の中では共謀とはいえ犯罪になることに関わるということはあり得ない話ですから、正当な暮らしをしていれば特に変化はないと言えるのではないでしょうか。