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「中国の属国に戻るぞ」「米韓同盟の破棄が前提だ。」「同盟の打ち切りにまで言及」と米国に脅された朴槿恵。安倍首相、国会答弁で「韓国がこちら側の国とはもう思ってない」宣言!

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「中国の属国に戻るぞ」「米韓同盟の破棄が前提だ。」「同盟の打ち切りにまで言及」と米国に脅された朴槿恵。安倍首相、国会答弁で「韓国がこちら側の国とはもう思ってない」宣言!


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「中国の属国に戻るぞ」と米国に脅された朴槿恵
揺らぐ米韓同盟

「そんなに中国の属国に戻りたいのか――。
米国の有力なアジア専門家が朴槿恵(パク・クンヘ)政権に啖呵を切った。


もちろん米韓同盟の破棄が前提だ。

米韓関係の潮目が

完全に変わった。

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アジアハンズの警告

鈴置韓国への厳しい警告記事が載りました。米国のアジアハンズ、ビクター・チャ・ジョージタウン大学教授が中央日報に書いたものです。骨子は「離米従中をしたければしろ。だが、よく考えろ。米韓同盟がなくなれば、中国からその一部として扱われるぞ」です。
日本語版で読んで驚きました。「朴槿恵の統一論、歴代政権と比べてみると」(7月18日)ですね。
鈴置:見出し通り、記事のほとんどが歴代政権の統一論の比較で、別段、ニュースはない。その部分は退屈です。
 筆者が本当に言いたかったのは最後の段落でしょう。そこを、大元の英語版「Five theories of unification」(7月22日)から全訳します。


中国との熱愛に舞い上がる韓国人

  • 韓国は(7月の中韓首脳会談で開いた)窓を生かし、中国を自らの側に引きつけようとしている。北朝鮮以上に中国と近い関係になりたいと韓国は願う。
  • これは、韓国が米国を排除しつつ、北朝鮮に関し中国と主体的に取引できることを意味するのだろうか? 私はそうは考えない。
  • 理由の第一は中国が北朝鮮を放棄する準備ができていないからだ。2番目の理由。韓国は中国との関係で舞い上がっているようだが、強固な韓米関係を基にしてこそ、中国への接近をしっかりとしたものにできるのだ。
  • 簡単に言えば、米国との同盟なしでは韓国は、中国からその小さな一地域として扱われる、ということだ。こんなことは、韓国政府の指導層だって分かっていると思うが。
 ちなみに、「韓国は中国との関係で舞い上がって……」と、最後の1文「こんなことは、韓国政府……」のくだりは韓国語版からも日本語版からも削られています。いずれも韓国人には朴槿恵大統領への挑発と読める部分です。

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 ソース: http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140729/269372/?P=1


見捨てられる朴槿恵

米韓同盟の打ち切りを前提に書いたところがすごいですね。

鈴置:ええ、そこがポイントです。これまでチャ教授ら米国のアジアハンズは「中国との関係を改善してもいいけど、北朝鮮の問題では中国に期待し過ぎない方がいいよ」という、おとなしい書き方にとどめていました。
 それが今回は、同盟の打ち切りにまで言及したのです。

もちろん、韓国の「中国との関係改善」が行き過ぎて「米国排除」に至ったからです。
 「米中星取表」を見れば、韓国が明らかに中国の指示通りに動くようになったことが分かります。「米中二股」外交どころか「中国一辺倒」外交に陥っているのです。
米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求を呑んだか
(○は要求を呑ませた国、―はまだ勝負がつかない案件。△は現時点での優勢を示す。2014年7月30日現在)
案件 米国 中国 状況
米国主導の
MDへの参加
中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
日米韓3国の
軍事情報交換
4月の米韓首脳会談でいったん合意。しかし中国の脅しで実現に動けず
在韓米軍への
THAAD配備
韓国国防相は一度は賛成したが、中国の反対で後退
米韓合同軍事演習
の中断
中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの
正式参加(注1)
正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの
反米宣言支持
5月の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの加盟
(注2)
米国の反対で7月の中韓首脳会談では表明見送り。ただし、継続協議に
日本の集団的自衛権
の行使容認
7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を「米国をアジアから締め出す」組織として活用。
(注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)を、米国と日本が力を持つADB(アジア開発銀行)への対抗馬として育てる計画。
 韓国の作戦は、米中双方を操って漁夫の利を得ることでした。でもそれは、米中双方といい関係を持っていることが前提です。中国に傾き過ぎて米国から見捨てられたら、朴槿恵外交は破綻します。
今、まさに破綻し始めた、ということですね。

集団的自衛権が最後の一撃

鈴置:その通りです。米国人も怒り始めたのです。日本の集団的自衛権の行使容認に対し、朴槿恵大統領が習近平主席とスクラムを組んで反対したことが「最後の一撃」となりました(「ルビコン河で溺れる韓国」参照)。
 米国は水面下でですが相当強力に要請して、安倍晋三政権に「行使容認」させたと思われます。韓国の防衛力増強にも資するというのに、韓国は中国と一緒になって反対した。韓国は中国側に寝返った、と米国は見なしたのです。
 韓国の離米従中に警告を発したのはチャ教授だけではありません。マイケル・グリーン・ジョージタウン大学准教授も、表現は柔らかいけれど、同じ趣旨の文章を中央日報に寄せています。
 「韓中関係、過度に楽観視する韓国」(7月9日、日本語版)です。骨子は以下です。念のためにテキストは英語版の「An optimistic relationship」(7月11日)を使います。
  • 中国が韓国主導の統一に賛成するだろうか? 今の段階では答えは「NO」だ。
  • もし韓国が朝鮮半島で中国を思い通りに動かそうと願うのなら、中国に哀願するだけでは不十分だ。
  • また中国は、言葉だけではなく行動によって韓国人の信頼を勝ち得る必要があることを知らねばならない。
  • つまり(韓国は)朝鮮半島の全方位との関係を強めるべきなのだ。1方向の外交ラインで努力を重ねてもおぼつかないのだ。

裏切られた3人

「中国一辺倒では、韓国の思うような統一は難しい。米国との関係を粗略にするな」という、チャ教授と同じロジックですね。
鈴置:その通りです。グリーン准教授は「全方位」という言葉を使っているので、米国だけではなく日本との関係も維持しろ、と言いたいと思われますが。
 グリーン准教授もチャ教授も、ワシントンの朝鮮半島政策の策定にあたって大きな影響力を持つと韓国では見なされています。
 彼らの警告は米国のアジア専門家2人が語っているというより、米政府が“最後通牒”を発したと韓国では受けとめられたようです。
 なお4月のオバマ訪韓も、この2人にアーミテージ元国務副長官を加えた3人がワシントンポストを通じ意見具申し、実現を後押ししました(「『自殺点』と日本を笑った韓国の自殺点」参照)。
 3人は「韓国が中国側に走りかけている。今、オバマ大統領が韓国へ行って引き止めるべきだ」と、共同論文の形で表明したのです。
 しかし、朴槿恵大統領はオバマ大統領と会談しましたが、米国の言うことは聞きませんでした。米韓首脳会談が開催されると見て取った習近平主席が急遽、訪韓を言い出し、実際7月3、4日にソウルで中韓首脳会談を開いたこともあったからです。
 朴槿恵大統領はオバマ大統領と会談した際にも、近く会う習近平主席の顔色をうかがったのです(「オバマの前で『中国が頼り』と言い切った朴槿恵」参照)。
 オバマ訪韓を後押しした3人組は面子を失ったのかもしれません。とすれば、個人的にも韓国に怒り出して当然です。


「統一」が最後の言い訳

チャ教授もグリーン准教授も「統一」をテーマに韓国に警告を発しています。なぜでしょうか。
鈴置:離米従中に対する韓国の言い訳が、今や「統一」に絞られてきたからでしょう。一時期は海外のシンポジウムなどで「我が国は中国に経済的に依存しているからやむを得ないのだ」と弁解する韓国人が目立ちました。
 それは一面の事実です。しかし、中国と周辺国との武力衝突の可能性が高まるほど緊張が煮詰まった今、ゼニカネは理由になりません。「カネのために中国の言いなりになるというのか」と見下げられてしまうからです。
 もう1つの言い訳は「日本が反省していないから」です。しかし、この強弁も米国の怒りを買ってしまい、ケリー国務長官やオバマ大統領から「歴史の棚上げ」を命じられてしまいました(「『歴史は棚上げしろ』と韓国に命じた米国」参照)。
 そこで韓国は「統一のために、中国の言うことを聞かざるを得ない」という言い訳を多用するようになりました。これに対応してチャ教授らは「統一も言い訳には使うな」と言い渡したのでしょう。

米国は不要と言い出す韓国

「統一のために」という韓国の言い訳は真っ当なものですか。
鈴置:一見それらしいけれど、よく考えるとおかしな話なのです。韓国主導で統一するには、確かに中国とのいい関係が必要です。でも、それでは不十分です。米国との強い関係も不可欠なのです。
 北朝鮮の動揺や崩壊が引き金となって、韓国が主導して統一する可能性が増しています。その際、中国が「韓国主導でもいいけれど、米韓同盟をやめるのが条件だ」と言い出すに決まっています。
 少し前までなら「38度線以北に米軍が進駐しないなら」という条件で米韓同盟の存続を認めたかもしれません。しかし、最近の中国は大いに自信を付けているのです。
 中国の要求を押し返すには、韓国には米国の強い支持が必要です。しかし韓国は「統一のため」と称して中国の言いなりになっていますから、米韓関係はどんどん悪化するばかりです。
 中国が韓国に「中立化」を要求した時、米国の中で「事実上、中国側に行ってしまった韓国との同盟を維持する意味があるのか」と、それに同調する声が上がるでしょう。
 一方、韓国の中にも「敵の北朝鮮を吸収するのだから、もう米韓同盟は不要だ」との意見が起きると思われます。つまり「統一」が「米韓同盟破棄」につながる可能性が結構高いのです。
 だからチャ教授は「『離米従中』状態で統一すると、中国の属国に戻る形での『統一』になるぞ。それでいいのか」と韓国人に念を押した――覚悟を問うたのです。

裏切り者を見る米国の険しい目

そもそも、韓国人はどれほど本気で統一を願っているのでしょうか。
鈴置:ええ、そこがまず怪しいのです。各種の意識調査で「今すぐ統一すべきだ」と答える韓国人は、どんなに多くても20%程度なのですから。
 でも「統一は民族の願い」との建前が韓国にはあります。「本気で統一したいの?」などと外国人が聞くと怒り出しかねません。
 そこで米国のアジアハンズは「統一のための離米従中」という言い訳の論理的な弱点を指摘したのでしょう。
 韓国の露骨な「離米従中」に怒るのは、この2人だけではありません。7月の中韓首脳会談の後にワシントンを訪れた日本の安全保障専門家がいます。この人によると、米国の国防関係者の韓国を見る目が恐ろしく険しいものになっているそうです。
 韓国が「集団的自衛権」で中国と組んだことが米国にとっては衝撃だったのです。裏切り者たる韓国に今後、米国がどういう姿勢で臨むか、注視する必要があります。
米国は朝鮮戦争で多くの若者の命を失いながら韓国を守りました。今も苦しい予算の中、韓国には陸軍まで置いています。韓国はそれだけ世話になりながら、自分の都合でいとも簡単に米国から中国への鞍替えを図っています。米国が怒るのは当然です。

以下日経ビジネスへつづく



【韓国】冷戦構造と中国の属国という実態。顔色を伺う運命共同体とナシ



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